初の海外個展で多忙な日々。

PROFILE
ポップでコミカルな作風が特徴。グローバルブランドから個人経営のセレクトショップまでコラボレーションのオファーが絶えず、ファッションシーンからも注目を集める。イラストレーターのShinknownsuke氏とともにアートユニット「UND」でも精力的に活動中。そこに「BACKDOOR/Supply」のオーナー井岡千浩氏を交えた「Muddy Waterz」を結成し、ポッドキャスト『Too Young To Know』を週1で配信。
―今月、香港で個展を開催するそうですね。
face:そうなんです。海外で個展を開くのは初めてですし、香港に行ったことがないっていうのもあって、楽しみですね。いまは制作でバタバタしていて大変ですけど(笑)。
―どうして香港で開催することになったんですか?
face:ぼくのイラストのフィギュアをつくってくれたり、いろいろとお世話になっている香港の「オール ライツ リザーブド」が開催してくれることになって。カウズの大きなバルーン作品で話題になったスタジオですね。

―2021年にリリースした、faceさんと『全裸監督』のコラボフィギュアも「オール ライツ リザーブド」の製作ですよね。フィギュアはイラストとは違って難しそうです。
face:ぼくがやることはそうでもないですけど、平面を立体にしたときの仕上がりの微妙なニュアンスを造形師に伝えるのが難しくて。ちょっとした感性の違いでブレが生じてしまうことがよくあるんです。スムーズに進められるように、コミュニケーションの取り方は気をつけてますね。
―faceさんの活動の中で、〈アディダス オリジナルス〉や〈ステューシー〉など、ビッグネームとのコラボも印象的です。コラボする際は、ご自身の作品制作と変わる部分はありますか?
face: 何をつくるか次第ですかね。Tシャツとかに使うグラフィックだったら普段通りの作風でいいんですけど、例えばスニーカーなら変わります。ぼくのイラストを単純に落とし込むだけだと普段履きにしにくいから、自分らしさを残しつつ、ファッション的な視点を持ってデザインするようにしています。自分でも履けるものにしたくて。


―今回の個展は大判の作品が多いですね。制作期間はどれくらいですか?
face: 大きい個展だと、大体3ヶ月くらい。他の仕事は引き受けず、制作だけに集中するようにしています。ぼくは基本的に、土日は制作しないんですけど、この期間だけは休日を返上して取り組んでますね。
―そのあいだはスタジオにこもりっぱなし?
face: そうなることが多いです。コンビニすら行かず、作業に専念しています。
―そんな忙しい中でも、ゲームやラジオ、登山にメッセンジャーバッグの制作など、faceさんは多趣味なイメージです。それらが息抜きになっているんですか?
face: そうですね、常に新しいことに手をつけていて。そこで得た知識や経験を作品に落とし込むこともあるんです。いろんなことに興味があって、結局自分の作品を生み出すきっかけを探しているようにも感じています。

―香港の個展が終わったら、どんな休日を過ごしたいですか?
face: 8月に「UND」の展示を予定しているので、またすぐ制作期間に入っちゃうんですよ(笑)。新しいメッセンジャーバッグをつくりたくてウズウズしているし、楽しみにしていた『ゼルダの伝説』の新作も早くやりたいです。