「古着も野菜も“地のもの”ならではのよさを伝えたい」
「安藤農園は中学校からの地元の仲間が運営しているんです。もう10年以上前になると思うんですけど、地元の同級生とちょっとした同窓会を開いたときに、安藤くんが友人伝手にやってきて再会を果たして。そこで農家を継ぐことを聞いて、“いいじゃん! いいじゃん!”ってなったんですよ(笑)。
地元の仲間の中には飲食店を経営しているやつもいたんで、“その野菜を店で使ったらいいんじゃないか”なんて紹介をして、実際に使われるようになったりして。そうなると、野菜が美味しいっていうお客さんのリアルな声がフィードバックされたりするわけじゃないですか? 最近では地産地消の形が徐々にスタンダードにもきていると思うので、そういう野菜の食べられ方ってすごくいいと思いますね」





ズッキーニにナス、パプリカなどもこれからの夏にかけて採れる野菜たち。あとは枝豆もありますが、意外と枝豆は真夏よりも今の時期や秋口あたりのほうが美味しいそうです。
「自分は安藤くんの野菜を紹介してただ広めたいという気持ちがあるというより、友だちが作った美味しい野菜が、美味しい料理を出す友だちのお店で扱われて、結果的に美味しいものがお客さんに提供されるというのがうれしいんです。
そんな仲間がつくっている野菜を“よろしければ「スローテンポ」のお客さんにもご紹介しますよ”というスタンスで、『SLOW Vintage Market』」という古着フェアを開催したときにいっしょにお店に置いています。“今朝採れた野菜だから、すごく美味しいですよ”とすすめられて喜んでもらえるのは、お店をやっているからこそ。古着も野菜も“地のもの”というか、そこでしか触れることができないという意味で、相性の良さを感じたし、お客さんにもたのしんでもらえたらと思います」

小野寺武人さん(右)と「安藤農園」を手がける安藤智一さん。