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FEATURE|JOURNAL STANDARD meets Delicious vol.02 ジャーナル スタンダードが出会う、これまでにないほどインディペンデントなアメリカンユースカルチャー。

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スケーター、ミュージシャンにアーティスト。NYのアンダーグラウンドなカルチャーのコミュニティの溜まり場であったNYのローワーイーストサイドのバー「マックス・フィッシュ」。一度は閉店するものの、移転し現在でも営業を続けている同店で、オープン当初から12年間勤め、その後、LAに拠点を移し〈シュプリーム(Supreme)〉で働きはじめたティノ・ラゾ(TINO RAZO)。飲食業からアパレルと、業種こそ違えどアメリカの中でもコアなカルチャースポットに身を置いてきたティノが『PARTY IN THE BACK』という写真集をリリースした。プロスケーターとしても活躍してきた彼が題材に選んだのは、南カリフォルニアのプールスケーティングだった。スケーターの仲間たちが楽しむ姿と、カリフォルニアらしい、壮大でありながらもどこかに一抹の寂しさを感じさせる風景を、絶妙のバランスのドキュメンタリーとして収めた美しい一冊。そんな本をつくり上げたティノに話を聞いた。

写真集『PARTY IN THE BACK』は、LAでのプールスケーティングをテーマにした一冊ですが、そもそもあなたが子供の頃、プールスケーティングにどういうイメージを抱いていましたか?

ティノ実際のプールスケーティングとは少し違うものだったね。僕は東海岸でスケートボードをして育ったからさ。東海岸のキッズにとってプールスケーティングは馴染みの浅いものだからね。80年代のスケートビデオとかで見たことしかなかったし、プールスケーティングっていうのは、パークで滑るような感じのものだと思っていたんだ。でも、実際はまったく違うものだった。

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初めてプールで滑った時のことを覚えていますか?

ティノ初めて滑ったのはNYの北部で、森の中を進むと湖の隣に四角いプールがあったんだ。バンクみたいな感じのところでさ。落ち着いた雰囲気で、80年代につくられた場所だったかな。そこでBBQをしたり、プールでスケートしたり、湖で泳いだり、キャンプをしたりして過ごしていたんだ。とても変わった経験だったよ。

そこにはよく行っていたんですか?

ティノいや、いつも行っていた訳じゃないよ。ちょっと遠かったし、まだ若くて運転出来なかったから、歳上の友人が行くタイミングで一緒に行ってたんだ。その後、僕はNYに引っ越して、プールスケーティングが好きな歳上の友人と出会ったんだ。彼がニュージャージーのアズベリーパークに連れて行ってくれて、そこで初めて滑りやすいようにシェイプされたプールで滑ったんだ。本当に最高だったよ。

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LAでの生活はどうですか?

ティノクールだよ。ここに引っ越してくる前に18年間住んでいたNYでの生活とは完璧に異なるものだからね。とてもメローだし。とても退屈な街だけど、自分がするべき何かを自分自身で探さないといけないっていうのはとても良いことだと思うよ。

NYと比べて、LAで好きなものと嫌いなものは?

ティノLAとNYは較べることが出来ないな、ほんとに異なるタイプの街だからね。この街を好きなのは、すぐそこに自然を感じることが出来るってことかな。山も海もあるからね。

普段はどういう風に毎日を過ごしているんですか?

ティノいつも朝起きると、犬と一時間くらい散歩して、コーヒーかスムージーを飲むんだ。そのあとに〈シュプリーム〉で働いて。2人のプロスケーターと一緒に住んでるから、彼らのミッションに乗っかったり、スケートしたり。とても退屈に過ごしてるよ(笑)。

いやいや、とても良い時間を過ごしていると思います!

ティノそうだね。

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LAに引っ越したのはどうして?

ティノNYでは、バーで12年間働いていたんだけど、2010年にそのバーが閉店したんだ(編注:移転して現在も営業中)。

働いていたのは「マックス・フィッシュ」ですよね? あのお店はいつオープンしたんですか?

ティノオープンは89年だよ。オープンした頃はクソなエリアだった。ローワーイーストサイドはヘロインやコカインのスポットだったからね。アパートで普通に売っていて、人が行列していたり。とにかくクレイジーだったよ。ギャングも売人もいたしね。多分90年代の頭から半ばにかけて変わり始めた。当時は、ローワーイーストサイドに行く必要もなかったんだ。「マックス・フィッシュ」は、早い段階であのエリアでビジネスを始めたお店だね。ネイバーフッドをつくったと言ってもいいくらいだよ。でもさ、エリアがある程度潤ってくると、「マックス・フィッシュ」のアンチが現れだしたんだ。そういった苦情みたいなのが原因で閉店したんだよ。ネイバーフッドをつくったはいいけど、よくなり過ぎて、バーに対して苦情がくるようになったって皮肉だよね。バーが閉店したあとも近くで仕事を探したんだけど、バー歴12年の男にはあんまり職がなかったのさ。バーテンダーはできたかもしれないけど。そしたら、当時〈シュプリーム〉で働いていたエーロンがLAの〈シュプリーム〉での仕事を紹介してくれたんだ。当時の彼女と相談して、次の日には引っ越すことにしたんだ。12年間バーで働いて、1日休んで、LAの〈シュプリーム〉で働き始めたんだよ。

「マックス・フィッシュ」で働いていた12年間で何か面白いことはありましたか?

ティノたくさんあるよ(笑)。滅茶苦茶な喧嘩をし出す奴もいたし、もう何でもあったよ。ある日、バーの客の半分がスケーター、もう半分がグラフィティライターって日があったんだ。ある友人のひとりがビリヤードで遊んでいたら、そのスティックが女の子のお尻にぶつかっちゃったんだ。その子はあるバンドの友達の子で、それがきっかけでバーの客の半々同士が喧嘩を始めたんだ。周りの奴らをとにかくぶん殴るみたいな感じで。たしかその時はトニー・アルバもいたね。ドッグ・タウンの映画が公開された後だったから、皆彼のことを知ってたんだ。で、ドッグ・タウンのキャップを被っている奴が、彼の存在に気付いて 「トニー・アルバ!? みんな止めろ!」って叫んだんだよ(笑)。そんな感じのことはたくさんあったよ。テニス選手のジョン・マッケンローが来たこともあるし。有名人も若い奴も来てた。隣に「アレッジド・ギャラリー」があったから、そこの周りの連中も来ていたし。クレイジーなことも多かったけど、クリエイティブな奴らとたくさん出会うことができて、とても良いインスピレーションを受けたんだ。そこに集まっていた連中ってのがすべてだったね。ミュージシャンやスケーター、グラフィティライターとか。とても刺激的なコミュニティだったよ。

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今回リリースした『PARTY IN THE BACK』でプールスケーティングを題材に選んだのはどうして?

ティノうーん、昔友達がアズベリーパークに連れて行ってくれたっていうのと同じことなんだけど、LAに引っ越して来て、〈シュプリーム〉で働き始めて、繋がった友人たちが皆プールで滑っているスケーターだったんだ。それで自分もプールスケーティングに惹かれていったっていう感じかな。

自然にこの題材を選んだという感じなんですね。

ティノそうだね。どこにスケートしに行くかっていうのは、環境が左右するからね。最初は本格的にプールスケーティングの写真を撮ろうと思っていたわけじゃないんだけど、何枚か携帯で撮って見たらすごく良い感じだったから、ちゃんと撮ることにしたんだ。実は、このプロジェクトを始める前までは、真剣に写真を撮ったことがなかったんだ。みんなでスケートしに行ったときにスマホで撮影はしてたけど、いつの間にか写真が好きになってたんだよね。でも、大掛かりな機材を持っていくのは大変だから、基本オートフォーカスの小さなカメラだけだった。それが始まりさ。自然にもっとたくさんのプールを見つけたくなって、もっとたくさんの写真を撮りたくなって、写真を見るとさらにもっと撮りたくなってさ。プールがあるシチュエーションってヤバいし、たくさんスケートして、新しいプールを探して、写真もうまくなりたいって思うようになったんだ。

LAのアートやスケートのシーンのことをどう思いますか?

ティノどこでも一緒だと思うよ。というのは、スケートやアートのシーンは、どこの地域に住んでいたとしても、皆全部同じものに影響を受けて、突き動かされるものだからね。だから、どこにいても同じなんだ。キッズたちはプロスケーターたちがグリップテープに何かを描いたりしているのを見たり、マーク・ゴンザレス、エド・テンプルトン、トーマス・キャンベルといった偉大なOGたちの作品が、スケートインダストリーやキッズたちを良い意味で後押ししていくんだ。コミュニティは大きくなって来ているけど、大きな規範となっているものや、皆が憧れているものは未だに限られたゾーンなんだよ。もちろんヒップホップなんかの音楽も影響を与えていると思うけどね、いまも昔も。

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いまのフェイバリットスケーターは誰ですか?

ティノいまのフェイバリットスケーターは誰ですか?

選べないですか?

ティノそうだね。スケーターのことは皆大好きだよ。

日本に来る予定はありますか?

ティノまだはっきり決まってはいないけど、話をしている最中だよ。LAやNY、オーストラリア、メキシコシティにはこの本のイベントで行ったし、イギリスやパリへ行く予定もあるよ。流れに任せている感じもあるけど、一緒に何かやりたいって思ってくれる人がいれば実現したいね。

最後に、愛犬のチャックは最近どうですか?

ティノ(笑)。彼はもう10歳だからとてもメローな感じだね。チルな良い生活を過ごしているよ(笑)。何ヶ月か前にNYまで車で戻ったときもドッグパークに連れて行ったんだ。フレンチブルは最高の相棒だよ。

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