“ちょうどいい”スタイリングってむずかしい。
-普段スタイリングのお仕事をされるとき、どんなことに気をつけていますか?
内山:俳優とかモデルのスタイリングだとそのひとのキャラクターに合うようなスタイリングを心掛けています。最近はルックとか、セレクトショップの仕事が多いんですけど、バランスには気をつけていますね。
-バランスというと?
内山:やりすぎてもトゥーマッチだなと思われるし、足りなくても目に留まらない。行き過ぎはダメだけど、シンプルすぎない感じのバランスを重視しています。最近悩んでいるのが、定番なのにおしゃれな組み合わせがあるとして、それは自分がスタイリングしなくても誰でもできる。でも奇をてらいすぎると真似できないし、おしゃれではなくなってしまう。誰でもできるレベルと、提案したいレベルの間の着こなしが、まだつかめていない感じですね。
-そういう場合は自分のなかでどう解決していますか?
内山:もちろん、話し合って求めているものを探っていくこともあります。あとは、同業の友達も多いので雑談ベースで“こういうスタイリングってどう?”みたいに話をして反応を見ることもありますね。
Style01.
定番のアメカジスタイルを、ポップに彩る。
Timberland「3-EYE Classic」
内山:春ぐらいにこの「3アイ クラシック」を買って、個人的に履きやすかったので、スタイリングに入れたくて、トライしました。「3アイ クラシック」は表革のモデルが定番ですが、それだと“THE 渋カジ”になってしまうので、あえてヌバックのモデルを合わせています。
内山:最近気になっているショート丈のアウター。そのなかでもスポーツスタイルといえば、スタジャンはハズせません。袖のレザーが白のタイプもありましたが、あえてボディと色を合わせて黒を選びました。これなら大人っぽく着られそうですよね。そしてこの〈ティンバーランド〉なら、表革のモデルよりも少しクールな印象に。アウターとシューズで落ち着いた色なので、他のアイテムは色を入れたいなと。スタジャンにはパーカが好相性だから、お気に入りのバーガンディに近い色を合わせました。それだけだと普通に見えてしまうので、パンツはあえて鮮やかなピンクを持ってきています。グレーとピンクは色の相性がいいし、バーガンディとも合う。しかも〈ディッキーズ〉と〈ティンバーランド〉はアメリカブランドなので、それもいいなと思いました。
Style02.
アースカラーでつなぐ、スポーツスタイル。
Salomon「XT-6」
内山:テック系のスニーカーを取り入れるには〈サロモン〉がちょうどよかった。履きやすいし、どんなスタイリングにもハマります。スラックスに合わせてもいいけど、今回みたいなカジュアルなパンツとも相性がいいですよね。
内山:まず、秋のコーディネートを考えたとき、この〈ウェールズ ボナー × アディダス〉のベストはマストで取り入れたかったんです。映えるアイテムだし、自分が気になっていたのもあって。このベストがメインになるなら、足元も本格的なスポーツブランドがよかったし、配色も考えて〈サロモン〉のXT-6を合わせています。シャツだとカッチリしすぎちゃうし、逆にキレイめになってしまうので、ベストのインナーはロンTぐらいがちょうどいいと思います。ここに白のロンTを入れると全体の色がボケてしまうので、アースカラーのオリーブで締めました。パンツはベストとシューズを繋ぐものとして、ベージュ系が相性がいいと思ったので〈グラミチ〉のカーゴパンツを。素材もシャリシャリしていてドレープ感が出るし、やや光沢もあるのでトラックパンツっぽいイメージで合わせています。