ユニクロの服と選手としての自分。

最近の平野さんは、服に変化を求めている時期なのかもしれません。
「パンツとトップスのバランスやサイズ感の好みが最近ちょっと変わったかもしれません。服もずっと同じものだと飽きちゃうので。こういう撮影のときには、自分が選びがちなパターンとはちがう、新しい服に袖を通せるのがいいですね。そこで感じることも多いので」
たとえばこの日のニットもそんなアイテムの一つ。
「ニットも普段はあまり着ることが少ないんですが、ずっと気になっていたアイテムで。実際に着てみると、そりゃ冬はこれだよなっていうくらい暖かいし、その暖かさで守られてる感じがする。上品で、ちょっとだけ大人っぽい雰囲気のある色味のアイテムで、実際に着るときはサイズ感や色味を、自分の好みと重ねて調整していきたいなと」
スタイリングではカラーに注目するという平野さんにとっては、今回はカラーリングも印象的だったようです。
「カラーリングは、自分のやってること…スノーボードにすごく馴染んでいるなと。パンツの山寄りの色味が強いブラウンとベージュとダウンの、ちょっとダークブラウンみたいな。こういう色味は、もともとすごく好きで以前よく着ていたものなので、懐かしさもあるし、やっぱりいい色だなと。落ち着いたかっこよさみたいなことを感じるカラーリングでした」

〈UNIQLO and JW Anderson〉スフレヤーンモックネックセーター/SIZE:L ¥3,990 , 〈UNIQLO〉カーゴジョガーパンツ/SIZE:3XL ¥3,990
ふんわりと柔らかく、そしてチクチクしないスフレヤーン糸を使用したモックネックセーター。ブラッシングによる特殊起毛で暖かく、着心地も軽やかに。また3色の糸をミックスしているため、奥行きのある表情も楽しめる。
ボトムスはミリタリーパンツをベースにしながら、ウエストと裾にゴムを施して快適に穿ける一本に。さらにすっきりとしたテーパードシルエットのため、オーバーサイズを選んでももたつかず動きやすい。
スタイリングひとつにしてもその豊かな感性でさまざまなことを読み取っている様子。さて、服にこだわりがあるとは聞いていた平野さんですが、どうやらそのこだわりはこちらの想像を超えていたようで…。
「ちょっとしたことが気になる性格で、遠征先に持っていく服も一回全部自分で着てみて、納得いくまで選びます。服を着るときに一番気にしているのは、ちょうどいい身幅とかのサイズ感なんです。そこが納得いかなくて服を切ったことも。あとは、周りと被りたくない時は、ペイントしたりとか、ちょっと自分で手を加えることもあるんです。そういうこだわりがスノーボードやスケートボードの練習にも少し出ているのかもしれません。納得いくまでずっとやるみたいな」
競技だけに限らず、プライベートでも一歩入り込んでしまうと、どうしてもこだわらずにはいられないのが平野さんの性(さが)なのでしょう。今回の取材で訪れた、ラーメン、レコード、コーヒーが今後その対象になるのかどうか、そしてそれらが平野さんの人生をどう彩っていくのかどうか、楽しみにしていきたいものです。