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ビームスを着て、どこへ行こう? VOL.3 江川芳文(スケーター、デザイナー)
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ビームスを着て、どこへ行こう? VOL.3 江川芳文(スケーター、デザイナー)

「ビームス(BEAMS)」のオリジナルアイテムが、すごく人気です。アメカジのカルチャーから得た豊富な知識と、いまのムードをきちんとキャッチして反映させるデザインセンス。これらを上手にミックスして、現代人の気分にマッチした服をつくっています。その方向性を定めるのがディレクターの吉川基希さん。この企画は、彼がいま会いたいひとをゲストに迎え、「ビームス」の服と一緒にお気に入りのスポットへでかけるというもの。その場所を通して、ゲストのパーソナルな部分に迫ります。
第3回目に登場するのは、裏原ムーブメントの立役者のひとりであり、現在は〈オンブレ・ニーニョ(Hombre Niño)〉のディレクターとして活躍する江川芳文さん。自身のライフワークであるスケートにまつわるお店や、普段から行きつけのクラフトビール屋に行ってきました。遊びと仕事を上手に融合させる江川さんのスタイルに迫ります。

リアルなものには表と裏があるから、そこをしっかり見極めないといけない。

ー今回は江川芳文さんがゲストということで、江川さんの行きつけのお店を紹介してもらいます。

吉川:ぼくの世代にとっては本当に憧れの存在なんですよ。中学生のときに裏原ムーブメントが起こって、「ヘクティク」に買い物に行ってたので。勝手に追いかけてました(笑)。

江川:本当ですか? ありがとうございます(照)。

ー「ビームス」に対してはどんな印象を抱いていますか?

江川:昔、原宿のとんちゃん通りに「メイド・イン・ワールド」っていうお店があったんですけど。20歳くらいの頃に、友達がそこで働いていて、彼らを通して「ビームス」のスタッフたちと遊んだ記憶があります。「みんなすごい服が好きなんだなぁ」って、そのときに思ったんですよ。知識が豊富だし、ファッションのことをすごく真面目に考えていて。ぼくもファッションが好きだったけど、「ビームス」のスタッフほどではなかったので。

ーファッションよりも先にスケートがあったんですか?

江川:スケートも、ファッションも、音楽も、どれも全部同時に入っていきましたね。一気に吸収しなきゃ! ってなってて(笑)。だから「ビームス」のスタッフと話して、すごく楽しかったんです。ファッションに対してずば抜けたセンスがあったから。

吉川:ぼくらの世代から眺めると、当時の先輩たちはめちゃくちゃ遊んでた印象があります。真面目に遊んでたっていう感じですかね。ヨッピーさんが「ヘクティク」をスタートしたのはいつでしたっけ?

江川:93年から仕込みはじめて、スタートしたのは94年だったと思いますね。

吉川:ぼくは当時中学生で、雑誌を見て「やばいお店ができてる!」って興奮したのを覚えてます。自分もスケートをかじってて、家にあったボードが80年代のものでちょっと幅が広いやつだったんですよ。しかもはじめから組み立てられていた、いわゆるコンプリートセットで。

江川:ぼくもはじめはコンプリートでしたよ。

吉川:雑誌とかビデオを見てて「オーリーってどうやんの?」って研究してたんですけど、全然できなくて。結果的に板がそれに向いてないって分かるんですけど(笑)。それから高校生になって自分で組み立てて遊んでましたね。

江川:ぼくとほとんど一緒ですよ(笑)。

ースケートカルチャーって、いい意味でいまも昔も変わってないような気がします。それこそスケーターたちのファッションも、ずっと変わらないですよね。

江川:たしかに全然変わってないですよね。当時「ヘクティク」でつくっていた服と、いまやっている〈オンブレ・ニーニョ〉も、やっぱり似てくるんです。サンプリングの方法とか、つくり方はあんまり変わってない気がします。

ー江川さんの目から見て、「ビームス」の服はどうですか?

江川:今シーズンの服をいくつか見させていただいて、たくさんのひとが親しみやすいアイテムをつくっているなと思いました。それに価格帯もどれも手頃なんですよね。だけど、大人でも着られるものをしっかりとつくっていて。そのバランスがいいですよね。いきすぎてない、ちょうどいい感じっていうか。

吉川:ぼくらもアメカジがやっぱり原点としてあるんですが、いまの時代に即したものづくりをしていて。世代によっても求められるサイズ感とか着方がバラバラなので、いろんな要素を考えながら足し引きをしていますね。点と点を繋いでデザインしないと、お客さんに刺さらないと思うので。

ー今回の1軒目は原宿のスケートショップ「ヘッシュドウグズ(HESHDAWGZ)」にやってきました。

江川:「ビームス」との繋がりがあるお店がいいかなと思ったので、バイヤーの加藤(忠幸)くんの行きつけをセレクトしました(笑)。今週から〈SSZ〉と「ヘッシュドウグズ」とのイベントを「ビームス 原宿」でやっているし*、ちょうどいいかなって。ぼく自身も店主のCBくんとは子どもの頃から一緒に遊んでいるんですよ。原宿にこういうお店があると安心するんです(笑)。
*すでにイベントは終了しています。

吉川:オープンしてから結構長いですよね。

江川:たしか18年だったかな? すごいですよね。

吉川:デッキとかパーツ類とか、ここへ買いにくるんですか?

江川:そうですね。ウィールとか細々したものを探しにきます。今日も息子に頼まれたものを買いにきました(笑)。

ーこのお店ならではの特色ってあるんですか?

江川:やっぱりここでしか買えないウィールとか、知るひとぞ知るブランドのものを置いているんですよ。おじさんスケーターたちが食いつくようなものを。だから本当に老舗ならではの品揃いだと思います。あとはCBくんとのおしゃべりが楽しいです(笑)。

ー吉川さんは学生の頃にスケートビデオつくっていたと前に話していましたが、いまでもスケートはするんですか?

吉川:家にスケボーはあるんですけど、コンビニに行くときにプッシュするくらいですね。

江川:でも、ちゃんと乗ってるじゃないですか。それで十分ですよ。

吉川:江川さんはどの辺りでスケートしてますか?

江川:駒沢公園のパークによくいきますね。ガス抜きしにいく感覚で滑ってます(笑)。

吉川:DJもやられてますよね。しかも硬めのテクノをこの前かけてて、かっこよかったです。

江川:踊れる音楽が好きなんですよ。パーティに行って、酔っ払って踊ってっていうのが楽しくて。ヒップホップとかも聴いたりはするんですけど、クラブで聴くならテクノとかハウスがいいんです。

ーでも、音楽は基本的にオールジャンル好きなんですか?

江川:ずっとオールジャンルですね。海外のスケーターたちもハードコアとかパンクを聴いたり、ヒップホップを聴いたりしていて。ちょうどヒップホップの人気がすごく高まっていた時代にアメリカにスケートをしに行ったことがあるんですけど、みんなが日常的に聴いている音楽は全然ヒップホップじゃなかったりするんですよね。そういうのって、携帯を見ているだけじゃわからないじゃないですか。

吉川:そうですよね。

江川:普段はヒップホップを聴いていたとしても、バーやクラブではみんなテクノで踊っていたりするし。リアルなものには表と裏があるから、そこをしっかり見極めないといけないですよね。ぼくはそういうのが好きなんです。

吉川:現地でリアルを体験しないと分からないことって、たくさんありますよね。

江川:そうなんですよ。ぼくはそれをずっと見てきているので、結果的にオールジャンルになっちゃったというか。

ーたしかにスケートって外に出ないとできないことだから、すごくアナログというか、現場感が鍛えられますよね。それを季節を問わず、何年もずっとやり続けている。

江川:めちゃくちゃアナログですよ。それにカラダも動かすから、すごくフィジカルだし。結局、いつまでも男の子なんです。

吉川:なんだか腑に落ちますね、ぼくもその辺は一緒かもしれないです(笑)。

ーいまでは息子さんもスケートをされていて、カルチャーが脈々と受け継がれている感覚はありますか?

江川:うちの奥さんにはコピペって言われているくらいなんで(笑)。だから兄弟みたいになっちゃってます。それくらい趣味が一緒なんですよ。カルチャーって若い子たちのものだから、彼らを見ていると、本当に楽しそうでうらやましい。

吉川:その気持ち、すごい分かります。ファッションもやっぱり若い子たちのエネルギーがすごいし、ぼくらもそれを大切にしたいんですよ。それに対してぼくらの世代が説教じみた方法論を語りたくないというか。

江川:うるさいおじさんにはなりたくないですよね。最近は息子の服や靴のサイズが自分に近づいてきたので、これからが楽しみであり、ドキドキする気持ちもあったりして、ソワソワしてます(笑)。

HESHDAWGZ

住所:渋谷区神宮前4-25-7
営業時間:12:00〜20:00(月〜金)、11:00〜20:00(土、日)
電話:03-3475-3475
公式Instagram:@heshdawgz_cb
heshdawgz.com

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