No.2_YUHI OZAKI 定番とは、ストックしておきたいほどよく着るもの。
―今回は尾崎さんらしいアイテムを選んでいただきましたが、尾崎さんのなかで定番アイテムというのはどんな存在ですか?
尾崎:とにかくよく着るものですかね。要するに、何にでも合わせやすいアイテムということかな、と。何も考えずに着こなしに取り込めるものだったり、何を着るか迷ったときに“アレでいいか”と思えるものかもしれないですね。
―なるほど。たしかに何にでも合わせられるものは、着こなしに入る頻度も高くなりますね。
尾崎:そうなんです。 だから、定番のものは自分の中でストックしておく癖があって、複数持っていることが多いんです。ストックがあると安心できるじゃないですか。でも、自分の残りの人生を考えると、そんな枚数や足数は必要なかったりもしますけど(笑)。
ITEM01_J.M. WESTONのシグニチャーローファー

―尾崎さんは白い靴のイメージがあります。
尾崎:そうなんですよ。革靴でもスニーカーでも結構な頻度で白を選んでます。〈ジェイエムウエストン〉から、この白のローファーが出たときは即ゲットしました。
―〈ジェイエムウエストン〉もよく履かれていますよね。
尾崎:自分の好きな要素が2つ合わさったら、買うしかないですよね。
―かなり綺麗ですが、まだ履いていないんですか?
尾崎:これは予備なんです(笑)。白は汚れたらメンテナンスが大変じゃないですか。インラインから出ているものなんですけど、いつ販売終了になるのかわからないので2足買いしました。
―ちなみに初めて〈ジェイエムウエストン〉の「シグニチャーローファー」を履いたのはいつですか?
尾崎:もう20年以上前ですね。「エディフィス」のバイイングでパリに行ったときに現地のお店で買いました。その頃の「エディフィス」の先輩はみんな〈ジェイエムウエストン〉を履いていましたからね。自分はロンドンにいたので英国靴が好きだったんですけど、「エディフィス」に入ったことで〈ジェイエムウエストン〉も買わないとな…と思って購入したんです。
―やっぱり、履き慣れるまで時間がかかったのでは?
尾崎:実は〈ジェイエムウエストン〉特有の洗礼は受けなかったんです。自分はそんなに甲高ではないので、意外とすんなり履けて。どんなスタイルでも、なにも考えずに合わせられるから、これは定番と呼べるのかもしれないですね。
ITEM02_BERNARD ZINSのスラックス

―〈ベルナール ザンス〉も尾崎さんらしい、クラシックなアイテムですね。
尾崎:このパンツは名古屋のセレクトショップ「kink」さんが〈ベルナール ザンス〉にオーダーしたものです。生地にインディゴリネンを選ばれていて、一目惚れでした。
―インディゴリネンの生地がよかったんですか?
尾崎:実はヴィンテージのインディゴリネンのワークパンツが好きで、夏はそればっかり穿いているんですよ。あと、この「ODEON」っていうモデルはノータックでフラップポケットが付いたセミフレアシルエットで、そこも気に入っているところですね。
―セミフレアのシルエットは新しいですね。
尾崎:最近は〈レノマ〉のような70年代のフランスのテーラードの世界観が好きで。そんなスタイルにぴったりハマってくれるのが、〈ベルナール ザンス〉だったんです。セミフレアのシルエットだけでその時代の雰囲気が出るので、生地違いで数本所有しているんですよ。
ITEM03_YOUNG&OLSEN The DRYGOODS STOREのウエスタンシャツ

―ウエスタンシャツも尾崎さんといえばのアイテムですね。
尾崎:よくご存じで(笑)。実は50年代のウエスタンシャツを気に入って愛用していて。それは白の無地ですごく着やすくて、予備で2枚ストックしてあるんです。でも、基本は白シャツは汚れやすいし、この形を残しておきたいなと思って、〈ヤング&オルセン〉でつくりました。
―50年代のヴィンテージを忠実に再現しているんですね。
尾崎:そうです。生地はオーガニックコットンを使っていて、〈ヤング&オルセン〉では定番になっています。白と青とストライプも展開しているんですけど、ストライプはヴィンテージにはないものなので、特に気に入ってます。
―確かに、ヴィンテージだとオックスフォード生地のストライプはほとんどないですよね。
尾崎:ボタンも〈YKK〉で50年代のヴィンテージのスナップボタンを再現していたり、かなりこだわってつくりましたよ。
ーカフ部分が長いのも特徴的ですね。
尾崎:袖口をロールアップしやすいようにカフが長くなっているんですよ。ウエスタンなジャケットをよく着るので、そのスタイルには欠かせない定番のシャツですね。
PROFILE
〈サンカッケー〉デザイナー。セレクトショップバイヤーや古着店バイヤーを経て、高品質カットソーブランド〈フィルメランジェ〉を立ち上げる。2012年に独立し、「▽三角形」の屋号で、自身のファッションブランド「サンカッケー」展開。同時にフリーランスのバイヤー業、外注デザイナー業なども行っている。
Instagram:@yuhiozaki0411