RYOHEI MATOBA アートとしても着られるバンドTシャツの代名詞的存在。

PROFILE
原宿を代表する老舗ヴィンテージショップ「LABORATORY/BERBERJIN®」に勤めた後、ギャラリー兼セレクトショップ「offshore
tokyo」をオープン。2017年には、ニルヴァーナのヴィンテージTシャツを集めたコレクションブック『HELLOH?』を発売する。
Instagram:@ryoheimatoba
―まず本日の着こなしのポイントから教えていただいてもよろしいでしょうか?
とにかくTシャツのグラフィックがかっこいいので、それを主役にシンプルにまとめようと思いました。
―今日着ていただいている「Self Obsessed And Sexxee」のTシャツは、的場さんがかつて働いていたヴィンテージショップでオリジナルも販売していたそうですね。
はい、この水色のボディーで全く同じです。タグとか無ければ、ヴィンテージと見間違える人もいるんじゃないかな(笑)。細かいとこだと、シングルステッチになっていたり古着好きの通な人から見ても良いと思えるディテールが詰まっていると思います。でも、自分はヴィンテージだからとか価値が高いからとか、変にうんちくがましいのは好きじゃないんです。若い子が現行のTシャツからソニック・ユースのことを知ったりして、アートワークが広がっていくべきだと思うので、こういったプロジェクトはうれしいですね。

―ソニック・ユースのTシャツには、やはり思い出もたくさんありますか?
そうですね。自分が所有している中でお気に入りは1stの『コンフュージョン・イズ・セックス』のTシャツです。後、『ウォッシング・マシーン』のTシャツはたくさん持っていたのですが、色々なタイミングでプレゼントしてしまったりして…。いま思えば、あげなきゃよかったかなと思ってますけど(笑)。
―『ウォッシング・マシーン』だけでも、たくさん持っていたのはさすがですね(笑)。なぜそこまでソニック・ユースのTシャツに惹かれるのでしょうか?
自分は音楽とファッションとアートは全部リンクしているものだと思っていて。ソニック・ユースというバンドは、それを一番体現しているバンドだなと思います。たとえば自分は『デイドリーム・ネイション』というアルバムがすごく好きで、音楽的にももちろん好きなんですが、アートワークにゲルハルト・リヒターの作品を使っていたり。アートワークすべてにおいて徹底的にこだわっている。それはもうバンドTシャツも、かっこいいに決まっていますよね。


―バンドTシャツとしてだけじゃなく、アート作品としても完成度が高いということですね。
はい。バンドTシャツって、そのバンドが好きだから着るものだったとは思うのですが、そのバンドを知らなくても、アートとしてグラフィックがかっこいいからという感覚で着ていいと思うんです。そういう意味でもソニック・ユースのTシャツは、正に着られる現代アートと言えますよね。

―ミュージックビデオもそうですが、ソニック・ユースのクリエイティブは本当にクールで素敵ですよね。
そうですね。アートとファッションと音楽が本当に地続きなんだなということを感じさせてくれる。そういうことを全部ひっくるめたカルチャーが自分はすごく好きなんで、今もこういうギャラリーのようなお店を自分でやっていますし、影響をすごく受けていると思います。