SNEAKER 01 : MEDALIST 80年代のスニーカーからインスピレーションを得たデザイン。
「とても履きやすくて、なおかつデザインがシンプルなところが気に入っています」。そう語るのはモデルのkyanさん。普段から〈オートリー〉のスニーカーを愛用していて、最近は登場回数も増えているそう。「カジュアルな格好でウォーキングするときも履くし、上品な着こなしでレストランへ行くときにもフィットするんです」
そんな彼が最初に選んだのは、ブランドのシグネチャーでもあるスニーカー「メダリスト」のバイカラーのモデル。80年代のヴィンテージスニーカーからインスピレーションを得た一足で、柔らかなカーフレザーをアッパーに使っています。
「〈オートリー〉はアパレルもシューズもシンプルなので、デザイン性のあるボトムでバランスを取りました」とのこと。最近はジャストサイズのトップスを着るのが気分というkyanさん。そこに太いボトムを合わせて、全体のバランスを整えています。
SNEAKER 02 : REELWIND かつてのトラック競技のシューズを思わせるフォルム。
今季から新たに登場したスニーカー「リールウィンド」はランニングスタイルの一足。1984年に行われたスポーツの祭典、そのトラック競技のスター選手たちが履いていたようなシューズのデザインです。同色でまとめたレトロ感漂うアッパーはカーフのスエードレザーとナイロンのコンビ。星条旗からイメージを膨らませたというアウトソールのデザインにも特徴があります。
「スニーカーのグリーンと、コーチジャケットのグリーンを合わせました」というkyanさんのコーディネート。緑が芽吹くいまの時期に映えるカラーリングです。ジャケットは胸元にブランドロゴがプリントされたシンプルなデザイン。「どんなスタイリングにも合わせやすそう」と言う通り、春先に便利な一着です。
SNEAKER 03 : CLC バッシュがモチーフのアーバンな一足。
最後に紹介するのは、「MEDALIST」をベースにしつつ、バッシュのデザインを取り入れた「CLC」。都会のバスケットコートで映えるようなスニーカーをイメージした一足は、スポーティかつアーバンな見た目が特徴です。
そんな「CLC」をロゴ入りのトレーナーに合わせたkyanさん。ネックやロゴにあしらわれたブルーの縁取りと、デニムの色合わせがクールなスタイリングです。オーストラリア人の血も流れる彼曰く、「ぼくはデニムショーツを “ジョーズ” って呼んでいます(笑)。いつもこういうパンツをオーストラリアで穿いていて、バギーなシルエットがお気に入り」なのだそう。「服は色で統一感を出してシンプルにした分、『CLC』のような存在感のあるスニーカーを足元に合わせると、コーディネートが決まりますね」
PROFILE
2005年オーストラリア生まれ。オーストラリア人の父と日本人の母を持ち、現在はモデルを中心に日本での活動も始動。SNSで自身の日常とファッションを投稿し、若者たちを中心に多くのフォロワーから支持を得る。俳優としてカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ『GTOリバイバル』に出演予定。
Instagram:@kyanlm
Interview with Hirofumi Kojima オートリーはすごくバランスのいいブランド。
ビジュアルのパートに続いて、こちらでは「アトモス」のディレクターである小島奉文さんのインタビューをお届け。無数のスニーカーを履き、選んできた小島さんの目に〈オートリー〉はどのように映るのでしょうか?
PROFILE
2000年に「テクストトレーディング(現フットロッカーアトモスジャパン)」に入社。現在は「アトモス」のディレクターとして同ショップの運営統括やバイイングを手掛けている。フイナムの連載「月刊アトモス」にも登場。
Instagram:@koji198139
ー小島さんが〈オートリー〉のスニーカーをはじめて見たときの印象を教えてください。
小島:「アトモス」ではスポーツブランドのスニーカーを多数取り揃える中で、ファッションのシューズブランドも取り扱いがあり、特に日本初上陸のブランドはしっかりとチェックするようにしています。その中でご縁があって〈オートリー〉と出会い、上質な素材使いがすごく印象的でした。とにかくラグジュアリーな装いというか、そうしたムードが気になったんです。
ースポーツというよりは、“ファッション” だったわけですね。
小島:そうですね。だけど、もちろんスポーティな印象も抱きました。そのバランスがとにかく優れているなと。
ー昨今のスニーカーのトレンドと重なる部分はあったのでしょうか?
小島:さまざまなものがある中で、いまはハイクオリティなものに目を向ける方が非常に多いです。やっぱりみなさん目が肥えてきている。昔は1万円代のスニーカーがよく売れましたが、いまは2万円代のものが主流。デザインとクオリティのバランスを見るのは当たり前で、その上で価格を見て決断する方が増えています。
ーお客さんの目がすごくシビアになっているということですね。
小島:そうですね。そうした部分で考えても、〈オートリー〉はすごくバランスがいい。触ってもらうと分かるんですが、とにかくクオリティがいいんです。ネットやSNSの写真で見ただけでは分からないよさがあります。ぼくも「メダリスト」を普段から履いていますが、カーフレザーを使用していて柔らかいし、足馴染みもすごくいい。決して値頃なスニーカーではないけれど、価格に見合った品質が確実にあることを実感しています。つくりに対してまったく妥協がないんです。
小島:あとはライニングにもレザーを選んでいて、足先の部分はパイル地で柔らかな感触になっている。見えない部分にこだわっているのも、すごく好印象でした。
ーデザイン面はいかがですか?
小島:すごくオーセンティックで合わせやすいですよね。ラグジュアリーな素材を使っているから、その方向にデザインを寄せることもできるのに、あえてそれをしていない。足し算をせずに、ちゃんと引き算をしているところに魅力があると思います。あと、ソールもオリジナルなんですよ。
ーアッパーはオリジナルで、ソールは既存のものを使用するブランドもありますね。
小島:そうした中でオリジナルでしっかりとソールをつくっているところもポイントです。なおかつすごく軽くて履きやすいんです。
ー実際に店頭での反応はいかがでしょうか?
小島:すごくいいですよ。やはり、よりよいものを求める方に人気です。あとはインバウンドのお客さまや、女性にも好評です。
ー女性にもですか?
小島:ウィメンズモデルは本当に調子がいいです。スニーカーは女性から火がつくモデルも最近は多いんです。20年前はそんなことなかったけど、最近は女性からというのが傾向のひとつになっています。
ー〈オートリー〉はもともと80年代にアメリカで生まれ、90年代以降の休眠時代を経て、2019年に復活しました。この復活の背景にあるのはリブランディングで、ハイブランドで活躍したメンバーが〈オートリー〉を動かしたといわれています。そうしたブランドの変化も、いまの人気の要因に繋がっているのでしょうか?
小島:それはもちろんあると思います。〈オートリー〉のスニーカーがラグジュアリーなムードをまとっているのは、そうゆうことなんじゃないかと。オーセンティックなアメリカのデザインに、ヨーロッパの洗練性が加わっているというか。それがきれいに融合していて、両者の特徴が上手く表現されていますよね。
ー今後、〈オートリー〉に期待することはありますか?
小島:現在のブランドイメージをしっかりと守りながら、一方では新しいモデルも常に提案し続けてほしいなと思います。今季からは「リールウインド」と「CLC」というモデルが加わっていますが、そうすることでブランドの幅が広がる。それはつまり、戦えるポイントが増えるということになります。いまはランニングシューズが強いですけど、トレンドが変わったときに、それに対応できるモデルがもともとあると安心です。だからこうしてカテゴリーが増えるのはいいことだと思う。しかもちゃんとプレミアムな素材を使っていて、ブランドの特徴をしっかりと表現していますよね。そうしたカラーというものをきちんと押し出していれば、ちゃんと定着していくと思いますね。