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映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』公開記念。新鋭デザイナーがジギー・マーリーに訊く、ボブ・マーリーのファッション。
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映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』公開記念。
新鋭デザイナーがジギー・マーリーに訊く、ボブ・マーリーのファッション。

“レゲエの神様”ことボブ・マーリー。1981年に36歳の若さでこの世を去ってしまいましたが、数々の名曲は時代を超えて愛され続け、そのメッセージは現代だからこそ強く胸に響きます。そんな彼の半生を描いた映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』。なんと、ジャパンプレミアで来日した、息子であり本作のプロデューサーを務めるジギー・マーリーを取材できることに。そこで、レゲエを愛する〈ラムロフ(Lamrof)〉のデザイナー・シャーリーが、ファッションの視点で映画を紐解きつつ、ボブ・マーリーの知られざる一面をジギーに問いかけます。

ジギーだから知る、ボブ・マーリーのファッション。

―ついに『ボブ・マーリー:ONE LOVE』が日本でも公開されました。いまの率直なお気持ちを聞かせてください。

ジギー: とても嬉しいです。父は日本ツアーを開催したことがあるし、私も日本を何度も訪れていて、大好きな国のひとつ。日本のみなさんは、レゲエを含めジャマイカのカルチャーを受け入れてくださっていて、ジャマイカ人も日本のことが大好き。愛で強くつながっている関係だと思っています。

ロンドンとパリ、そしてジャマイカでプレミア上映を予定していましたが、日本でもやらないわけにはいかない、ということで来日させてもらいました。

シャーリー: はじめまして。日本で〈ラムロフ〉というファッションブランドのデザイナーをやっているシャーリーです。映画、最高でした! とくに当時の衣装の再現度には驚きました。

ジギー: シャーリー、よろしくね。そしてありがとう! ボブはかっこよくておしゃれだったから、その洒落っ気をきちんと描きたかったんです。衣装を担当したアンナ・B・シェパードがしっかりとリサーチしたうえで、我々に相談しにきてくれて。彼女のアプローチはとても気に入りましたよ。

シャーリー: お父さんの世代とジギーさんの世代で、ファッション観に違いはありますか?

ジギー: ぼくたちの世代は服装を全然気にしていなかったけど、父の世代はみんなファッションにこだわっていて、おしゃれだったと思います。

シャーリー: 劇中で、パンクロックが盛り上がっているイギリスへ亡命してから、ボブがレザージャケットを着ていたのが印象的でした。当時ボブは、どんなところで服を買っていたんですか?

ジギー: 父はショッピングが好きでした。アートワークを担当していたネヴィル・ギャリックやザ・ウェイラーズのメンバーと一緒によく買い物へ行っていましたよ。ハイブランドではなく、古着をね。そして、自分に似合うものを見つけるのが上手でした。

シャーリー: ボブが古着好きとは知りませんでした。ジャマイカにも古着屋があったんですか?

ジギー: いや、ジャマイカに古着屋はなかったから、世界中をツアーで回りながら、各地で古着を買っていました。ミリタリーの要素をはじめ、さまざまな背景を持つ服をやりすぎない程度にコーディネートに取り入れるのが好きだったみたい。なかでも、とくに父が好きだったのがスポーティな服装。いつでもサッカーができるようにね。

シャーリー: たしかに、ボブのやりすぎないバランス感のコーディネートが、すごくおしゃれ。ジャージでサッカーしている、ボブの有名な姿も劇中に登場していましたね。

ジギー: 本当にボブはスタイリッシュで、かっこよかったですよ。

シャーリー: 映画のクライマックスで、ハイレ・セラシエから贈られた指輪が登場しましたが、それまでボブはアクセサリーを付けていませんでした。それにはどんな想いを持っていたと考えますか?

ジギー: ボブは物質主義じゃないので、アクセサリーにあまり興味がなく、たまにネックレスを付けるくらいでした。でも、指輪は尊敬するセラシエに認められた証として、特別な意味を持って着用していました。あれだけは、つねに付けていた唯一のアクセサリーです。

INFORMATION

『ボブ・マーリー:ONE LOVE』

監督:レイナルド・マーカス・グリーン
出演:キングズリー・ベン=アディル、ラシャーナ・リンチ
脚本:テレンス・ウィンター、フランク・E・フラワーズ、ザック・ベイリン、レイナルド・マーカス・グリーン
原題:Bob Marley:One Love
公式サイト
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