近年はフットウェアにも注力。
― かつて〈アークテリクス〉といえばシェルジャケットやバックパックのイメージが強かったと思いますが、近年はフットウェアにも力を入れているように見受けられます。

高木:おっしゃるとおりです。〈アークテリクス〉がフットウェア部門をスタートしたのは2015年のこと。当時はヨーロッパを拠点にデザインや開発を行っており、本国カナダとの距離が課題でした。そして2021年、アメリカのポートランドに拠点を移し、フットウェア専門のデザインセンターを設立。そこで開発されたフットウェアが今季よりリリースされています。
― 高木さんご自身も今日、〈アークテリクス〉のフットウェアを履いていますね。

高木: これは「クラッグ」というクライミング用のアプローチシューズ。かかとをつぶして履けるスリッポンタイプのシューズです。クライミングのシーンではクライミングシューズへの履き替えなど、連続した動きが求められるため、かかとをつぶして履けてスムーズに着脱できるというのは理にかなっているんです。また、かかとをつぶせるうえに、カラビナループ付きでバックパックに装着でき、持ち運びも容易。ヴィブラムのアウトソールは滑りにくく、履き心地も良いので、街履きにも適しています。
― 〈アークテリクス〉は今年5月、東京・代官山に、新たな開発拠点「東京クリエイションセンター」を設けましたよね。それによる具体的な成果はすでに出ていますか?
高木:具体的にはこれからです。まだ半年しか経っていませんから。〈アークテリクス〉はモノづくりに非常に時間をかけるブランド。「東京クリエイションセンター」による取り組みがプロダクトに反映されるのは2026年頃になると思います。