1.走りながら、環境配慮について考える。
湘南国際マラソンの大きな特徴は、徹底的に環境へ配慮した運営が行われていること。その代表的な取り組みとして、コース上の給水ポイントで使い捨てカップが一切用意されないことが挙げられます。
フルマラソンの参加ランナーは、水分200ミリリットル以上が入ったマイボトルが必携品。コース上の約200ヶ所に設けられた給水ポイントで、自ら給水を行います。ファンラン10キロの参加ランナーはマイカップが必携で、マイボトルの携帯が推奨。そしてファンラン2キロとラン&ウォーク1.4キロの参加ランナーはマイカップの携帯が推奨されています。
そういったルールを設ける狙いは、これまでのマラソンで課題となっていたゴミを削減すること。取り組みの成果は数字に表れています。マイボトル&マイカップのルールを導入する以前のこの大会と比較すると、2019年大会では11,495キログラムだったゴミの排出量は、マイボトルのルールを導入した2022年大会では3,447キログラム、さらに2023年では3,049キログラムと、大幅な削減に成功しているんです。
給水ポイント付近の路上に使い捨てカップが散乱しているのが、一般的なマラソンの光景として思い浮かぶでしょう。でも、この大会は違います。ゴミは落ちておらず、路上はクリーンです。
環境に配慮した取り組みはそれだけではありません。大会会場には不用になったシューズやアパレルの回収ボックスが設けられ、リユースやリサイクルに役立てられます。
さらに、今回より新たな取り組みとして、「クリーンスタートプラン」を実施。スタート直前まで着用していたウェアを、事前申込者に配布される専用スタッフバッグに収納し、スタートから約5km地点の区間までに設けられた回収ボックスに入れれば、レース後に返却されるというシステムです。
この取り組みが実施された背景にあるのは、一部のランナーがスタート前の寒さを凌ぐため、使い捨ての雨ガッパなどを着用し、それらがスタートとともに路上に捨てられてゴミの山と化していたこと。
スタート直前まで寒さを凌ぎたいランナーの気持ちはわかります。でも、使い捨てという行為は無駄以外の何物でもなく、なにより路上にゴミが散乱する光景は美しくありません。
従来のマラソンで当たり前だったことは、実は当たり前ではないのではないか。環境負荷の軽減を目指し、マラソンのあり方を抜本的に見直すさまざまな取り組みが、湘南国際マラソンでは行われているんです。