PROFILE
1986年生まれ、埼玉出身。「川村都スタイリストスクール」を卒業後、五十嵐孝智氏に師事し、2011年に独立。ファッションメディアや広告、ブランドのカタログ、俳優の衣装など、幅広く活躍中。モードとカジュアルを軸にしながら、異なるエッセンスをミックスしたスタイリングを得意とする。
仕事も日常も、新鮮な気分を求めて。
―さまざまなメディアで活躍されていますが、今季のファッションシーンはどんな印象ですか?
井田: 秋冬はトレンドワードとして“グランパコア”が注目されていますよね。でも、若い世代 を見てみると、いろんなファッションスタイルが見受けられるのがおもしろいです。オーバー サイズの着こなしは相変わらず人気ですけど、古着で好きなカルチャーを表現していたり、ジ ャストサイズやタイトなシルエットでミニマムに表現していたり。
―ファッションスタイルがこれまで以上に多様化していると。
井田: 若い世代のほうが自分らしさを意識しているから、周囲は関係なく、自分がいいと信じるものを着ているように感じます。そうやって各々がファッションを楽しんでいるほうがいいですよね。
―やっぱりトレンドは細分化しているんですね。
井田: おしゃれなひとたちは新しいものを求めて、いろんなスタイルに挑戦しているんだと思います。デムナ・ヴァザリア(〈バレンシアガ(BALENCIAGA) クリエイティブディレクター/〈ヴェトモン(Vetements) 創始者〉)みたいな新しい潮流を生み出すデザイナーがしばらく出てきていないから、そのあいだの時期なのかもしれませんね。ぼく自身も、他のひとがやっていないことをやりたいタイプですし。
―井田さん自身は、今季どんなアイテムに注目していますか?
井田: 去年はカラフルにコーディネートしていましたが、今年はグレーや黒のワントーンの気分。シックな色を使ってレイヤードを楽しみたいと思っています。シルエットはジャスト気味。カラーリングもサイズ感もミニマルに着こなしたいですね。
―今季はなにを購入しましたか?
井田: いま着ているセットアップは買ったばかり。素材がカシミヤで着心地がいいですよ。去年だったらニットは大きめに着ていましたが、今年はこれくらいのサイズ感がいいです。あと、最近エプロンスカートを着ているんですよ。
―レイヤードとかシルエットを楽しめそうですね。
井田: そうなんです。ミニマルな着こなしでも、守るより攻めようと思いまして。ファッションには新鮮さを求めているので、新しい要素を取り入れるようにしています。
―最近のお仕事はいかがですか?
井田: ちょっとバタバタしちゃっていて、今週は12本の撮影がありました。
―かなりの撮影本数をこなしているんですね。そんな忙しい毎日を送るなか、休日はどのように過ごしていますか?
井田: 散歩が好きなので、休日は少し足を伸ばしてコーヒーを飲みに行ったり、食事をしたり。その帰りに走っているんですよ。それだけで、充実した1日を送った気分になるんです。街を見ていると、季節によって見え方が違うし、新しいお店ができていたりもする。歩いたり走ったりすると、新しいファッションを取り入れたときと同じように新鮮な気持ちになるので、日常のなかで大事にしています。