FEATURE
シュタイン、パリでの初ランウェイ。浅川喜一朗に聞く、ブランドの現在地とこれから。
ssstein, towards the future

シュタイン、パリでの初ランウェイ。
浅川喜一朗に聞く、ブランドの現在地とこれから。

「FASHION PRIZE OF TOKYO2025」を受賞し、パリでショーを行った〈シュタイン(ssstein)〉。コレクションには、目に見えないニュアンスをロジカルに丁寧にかたちにしていくような静かで繊細な強さがありました。デザイナーの浅川さんが伝えたかったこととは。ショーを終えた翌日、ショールームで話をうかがいました。

  • Photo Mari Shimmura(without Runway), Koji Shimamura(Runway)
  • Text Mami Okamoto
  • Edit_Naoya Tsuneshige

あるポートレートの写真集が着想源。

―今シーズンのコレクションについて教えてください。

浅川: 今回のコレクションに関しては、ある写真集がインスピレーションになっています。 ポートレートの写真集なんですけど。その写真集の光のバランスだったり、背景だったり、カメラマンと被写体の親密な関係性が見えてくるような自然体なムードが美しくて、見ていて居心地がいいなと思ったんです。そのムードを着想源にコレクションを展開しました。

浅川: 24-25AWあたりからブランドの芯は変わってないんですけど、自分のマインド的にも服づくりが変わってきたなと思う部分があるんです。その理由はコロナの影響もあったのかなと思っていて、人と会いたくて会うとか、話したくて話すことって全然当たり前のことじゃなくて、すごくリッチでエレガントなことだったんだなと気づいたんです。

―なるほど。具体的には、どんなふうに変わったのでしょうか。

浅川: 今シーズンもその影響は続いていて、いい意味でサラッと適当に着ていけるけど、ムードがあるというのがコレクションの大きな軸になっています。

浅川: 具体的には、つくるテキスタイルも柔らかいけどシルエットがちゃんと残るようなウールカシミヤや、しなやかで着やすいウールカシミヤのフリースシリーズとか。イタリア製のナイロンなんかも、縫製したあとにもう一回洗いをかけて加工して、さらに、ほんの少しパッカリングをかけたり、パターンにほんの少しツイストをかけたり。

そういう、上質でさりげないニュアンスがあるけどガサっと着られる服と、ランウェイで映える強さのあるものを、トータルでまとめてコレクションをつくっていったという感じです。

INFORMATION

ssstein

公式サイト
Instagram:@ssstein_design