年輪が増して、幹が太くなっている感覚。
ーこのお店には「NEXUSVII.」という屋号がついています。そこにはなにか特別な想いはありますか?

今野: パルコにあったお店も「NEXUSVII.」という屋号だったんですが、館のスペースをお借りしていたので限定的な世界観の構築しかできませんでした。そういう意味でこちらでは、蛇腹式の扉をつくったり、什器も好きなものを置くことによって、ブランドらしさをしっかりと表現したんです。
ー来年はブランド設立から25周年を控えています。これから〈ネクサスセブン〉をどうしていきたいか、考えていることはありますか?
今野: 25周年って日本ではどこか中途半端なイメージがあるかもしれないですが、欧米だと結構しっかりとお祝い事をしているんです。ですので、ぼくたちも堂々と打ち出したいと思っています。これまでお付き合いのあったブランドさんや、新しい試みも含めて、コラボレーションを中心におもしろい企画を仕込んでいるので、ぜひ期待していてください。

ーお話を聞いていて今野さんの姿勢にまったくブレを感じないのですが、なにかご自身の中で変化したことはありますか?
今野: ブランドに対する熱量はスタートの頃とまったく変わってないです。その一方で、長くやることによって不安材料が減ってきた感覚はあります。当初は服のつくり方なんてなにも知らずに勢いだけではじめたところがあって、いろんな方々に助けてもらいながら前に進んでいました。それがいまは自分たちの力でここまでできるようになって、いいものをつくって残したいという気持ちになっています。熱量は変わりませんが、服との向き合い方、打ち出し方、アウトプットの力強さは24年間でだいぶ鍛えられたように思いますね。年輪が増して、幹が太くなっている感覚です。

ー最後になりますが、このお店の今後の展望についても聞かせてください。
今野: 「V.E.L」は住宅のしたにあったりして、イベントとかも遠慮しながらやっていたところがあるんです。でも、このお店ならお客さんに並んでもらったりということもできるので、なにかそういう大きなノイズを生めるような企画もやってみたいですね。限定アイテムをつくったりとか、スポットでコラボレーションもしてみたり。こうしてお店ができたことによって新しいアイデアも生まれたので、そこも楽しみにしていただけたらうれしいです。