自分たちの言葉で商品の魅力を伝えられる。
ーこのお店限定の商品なども用意されているんですか?
児島: お店ができたことによって直接お客さまとコミュニケーションが取れるので、ちょっとチャレンジングな服を用意しました。実験的というと大袈裟ですが、特殊な風合いのものだったり、加工によって個体差が生まれるようなものですね。そういった商品の説明や、生まれた背景などをダイレクトにお客さまに伝えられたらと思っています。

Sheep Suede Take Easy Jacket ¥165,000
児島: たとえば今回つくったのは製品染めのレザージャケットなのですが、昔からつくりたかったアイテムのひとつなんです。古着屋の片隅にあるような、縮んでシワだらけのジャケット。こういうのって、やっぱり自分たちの想いみたいなものをしっかりと伝えないと、手にとってもらえないんです。
ー児島さんならではの攻めたアイテムを展開すると。

Unlined KS Trainer ¥33,000
児島: たとえばこのシューズは〈リプロダクションオブファウンド〉とのコラボなんですが、ジャーマントレーナーをワントーンに統一。また、アッパーのパターンを調整し、裏地なし、つまりアンラインドでつくったものなんです。裏地をなくすことによって、上質な革の魅力をダイレクトに味わえて、フィッティングも増し、軽くて履きやすくなるんですよ。ワンサイズアップをギュンと締めて履いてほしい。レザーシューズのように履けるスニーカーがコンセプトです。だけど、そういう細かなこだわりってなかなか伝えづらくて。
ー直営店ならそれをダイレクトに伝えることができますよね。
児島: そうですね。ぼくはそういう意味で伝わりづらいものが好きだったりするので、自分たちの言葉で商品の魅力を伝えられるのは本当にうれしいことなんです。ぼくがつくっているのはオーセンティックな服が多いけど、その中でスパイスの利かせ方がどんどんマニアックな方向へ向かっているんですよ。だからしっかりとその背景を伝えることが大事なんです。
ー一方で、こちらのTシャツも旗艦店限定なんですか?

Tube Tee Light Jazz Man by Yusuke Hanai 各¥14,300
児島: これはアーティストの花井祐介さんに描いてもらったジャズミュージシャンのイラストをプリントしたものですね。
ー〈キャプテンサンシャイン〉でプリントもののTシャツをつくるのって珍しいですよね?
児島: 80~90年代にジャズミュージシャンのプリントTシャツをリリースしていた「Gear Inc.」っていうメーカーがあったんですよ。それが好きでコレクションをしていたんですが、2年前くらいに花井さんにその話をしたら乗ってくれて。「うちのお店がオープンしたら、これをモチーフに描いてくれませんか?」と相談したら、すぐにOKの返事をくれたんです。描かれているのはチェット・ベイカー、チャールズ・ミンガス、ジョン・コルトレーンで、すべて彼のセレクトです。

「Denim Tracker 1P Jacket Mini」 ¥27,500円、「5P Zipper Front Denim Pants Mini」 ¥20,900
児島: あとはこちらのキッズアイテムもつくりました。ヴィンテージのセールスマンサンプルをイメージしましたね。子ども向けではあるんだけど、ちゃんと細部までつくり込んでいて、大人の心もくすぐるアイテムです。
