© Ichigo Sugawara
作品がフランスの国立図書館のパーマネントコレクションに選ばれたり、映画『青い魚』で撮影監督を担当したり、ほぼ日の連載「写真がもっと好きになる。」が本(2023年に改訂版も発売)になったり。
写真家の菅原一剛さんの活動は、いろいろなところで評価されています。6月20日と21日から始まる展示では、生まれ故郷の北海道にフォーカスを当てました。
© Ichigo Sugawara
菅原さんが幼少期に離れた北海道を、失われた故郷を探すように静かに見つめた風景写真を展示するという今回の展示。日高山脈を望む開拓の地で、人と自然が交わる静かな瞬間が、深いまなざしとともに写真に収められています。
展示作品は、特別な調合によるウェットコロディオングラスプリントと、インクジェットプリントで制作されました。古典技法と現代技術を融合させ、光と時間の重なりを繊細に描き出しています。
会場は「ライカギャラリー東京」とライカ銀座店2Fの「ライカプロフェッショナルストア東京」、そしてライカ京都店2F「ライカギャラリー京都」の全3箇所での開催です。最後に菅原さんからのメッセージをどうぞ。
ぼくは札幌に生まれた。
と言っても、父の仕事の都合で二歳の時に引っ越してしまったので、北海道の記憶はほとんどない。
それでも、常にどこかで、北海道は特別な場所という思いが自分のなかにあって、引力のようにはたらきかけてくる。
北海道というと、雄大な大自然を思い描く人も多いかもしれないが、近代北海道の歴史は、
原生林に覆われた厳しい環境のなかでの開墾という事業なくして始まらなかった。
農業画家として知られる坂本直行(1906~1982)さんは、十勝地方に入植する際、
日高山脈がもっとも美しく見える場所を選んだと聞く。
そこを己の軸として、農業のかたわら絵画や登山、執筆活動に勤しんだ。
そしてぼくは、そうした大自然と対峙し続けている人びととの間に生まれる光景を、
あたかも故郷を探すような気持ちで見続けている。
菅原一剛「北海道」
会期:東京 6月20日(金)〜9月14日(日)、京都 6月21日(土)〜9月14日(日)
場所:ライカギャラリー東京/ライカプロフェッショナルストア東京(ライカ銀座店2F)、ライカギャラリー京都 (ライカ京都店2F)
住所:東京都中央区銀座6-4-1 2F、京都府京都市東山区祇園町南側570-120 2F
電話:03-6215-7070、075-532-0320