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三宅唱監督の最新作『旅と日々』が11月7日より公開。つげ義春の短編2作品をもとに、時間と旅と市井の人々を豊かに描きます。

情報がめまぐるしく流れていくSNSの誕生は、視聴者の映像体験に多大な影響を与えました。端的で短尺の映像が受け入れられやすく、視聴者のそんな傾向に寄せた作品が増えてきたようにも思います。

しかしそんな時代になっても、映画を真摯につくり続けているひとはいる。映画監督・三宅唱はそのひとりでしょう。

11月7日(金)より最新作が公開されるのでご紹介します。

あらすじ
強い日差しが降り注ぐ夏の海。浜辺にひとりたたずんでいた夏男は、影のある女・渚と出会い、ふたりは何を語るでもなく散策する。翌日、再び浜辺で会った夏男と渚は、台風が接近し大雨が降りしきるなか、海で泳ぐのだった……。とある大学の授業で、つげ義春の漫画を原作に李が脚本を書いた映画を上映している。上映後、質疑応答で学生から映画の感想を問われた李は、自分には才能がないと思ったと答える。冬になり、李はひょんなことから雪に覆われた山奥を訪れ、おんぼろ宿にたどり着く。宿の主人・べん造はやる気がなく、暖房もまともな食事もない。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出す。

『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)など、作品を発表するごとに国内の映画賞を席巻、これまでベルリン国際映画祭に3作が出品されるなど現代日本映画界を牽引し、世界的に注目を集める三宅唱監督。

そんな三宅監督による新作は、つげ義春の短編作品「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」をもとに描いた、珠玉のロードムービーです。

2020年フランスのアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞に輝き「漫画界のゴダール」と評されたことも記憶に新しい稀代の漫画家による、初版から50年以上を経た2作。どのような息を吹き込んだのか。

主人公の李を演じたのは、日韓で活躍する俳優シム・ウンギョン。映画『新聞記者』(19)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得したことでもおなじみ。そのたおやかな佇まいに注目してください。

また、原作内でも唯一無二のキャラクター・べん造は、堤真一がならではの演技力でつくりあげました。そのほか、河合優実、髙田万作など名優たちが旅情あふれる世界を構築します。さらに、つげ義春作品に欠かせない俳優・佐野史郎も出演。日本映画界屈指の実力派俳優陣が集結しました。

三宅監督らしい繊細なストーリーテリングはもちろんのこと、つげ作品の根底に流れる淀みすらも掬い上げた今作。すでに、世界で最も歴史ある国際映画祭の一つであるロカルノ国際映画祭のインターナショナル·コンペティション部門に選出されるなど、注目度も高そうです。

ぜひ劇場でご覧ください。きっとスマホに流れてくる映像にはない、映画だけの時間の豊かさを感じることができるはずです。

INFORMATION

映画『旅と日々』

監督・脚本:三宅唱
原作:つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
キャスト:シム・ウンギョン、堤真一、河合優実、髙田万作、佐野史郎、斉藤陽一郎、松浦慎一郎、足立智充、梅舟惟永
製作:映画『旅と日々』製作委員会
製作幹事:ビターズ・エンド、カルチュア・エンタテインメント
企画・プロデュース:セディックインターナショナル
制作プロダクション:ザフール
配給・宣伝:ビターズ・エンド
© 2025『旅と日々』製作委員会

公式X:@tabitohibi
公式Instagram:@tabitohibi_mv
公式サイト

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