デンマークのデザイナー、ヴェルナー・パントンのアーカイブを甦らせた今シーズンの〈ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)〉のベースにあったのは、正真正銘のワークウェアだった。
コート、ブルゾン、シャツ、あるいはオールインワン。機能美を体現した、装飾を削ぎ落としたデザインワークは、日々土に触れているドリスだから可能となったものだ。
2018年に封切られ、話題を呼んだドキュメンタリー映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』でも明らかにされたが、ドリスはアントワープの郊外にある古めかしい家に住んでいる。そして花を植えたり、庭の手入れをする時間をこよなく大切にしている。
ドリスはそれらストイックなワークウェアを、大地へのオマージュとも思えるアースカラーで仕上げた。色鮮やかな花々は大地というキャンバスがあるから引き立つ。パントンが遺したポップなカラーやパターンとの相性を考えれば、これ以上ない最良の選択だった。
パントンのアーカイブから拾ったオールドローズやオークなどで染めたワークウェアもあって、全身ミッドセンチュリーなスタイリングもこれはこれで悪くなかった。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
ドリス ヴァン ノッテン
電話:03-6820-8104
www.driesvannoten.com