それ一枚でさまになる、という褒め言葉があるが、〈ジル サンダー(JIL SANDER)〉のシャツはまさにこのフレーズが当てはまる。
異なる色柄のファブリックをパッチワーク風に仕立てたシャツ。横一直線に二つの切り替えを入れたシャツ。あるいは、比翼仕立てのシャツ。
どれ一つとっても一筋縄ではいかない。クラフツマンシップを存分に発揮させたそれらシャツは、しかし仕上がってみればクリーンでミニマル、というアイデンティティから1ミリもぶれていない。
それぞれオーガニックコットン、スーピマコットン、コットンポプリンと採用したファブリックは異なるが、肌に触れるファブリックとしてはいずれも非の打ちどころがない。佇まいも着心地も惚れ惚れさせる域にある。シャツは〈ジル サンダー〉のDNAといっていいアイテムである。
ルーシー&ルーク・メイヤーがクリエイティブ ディレクターに就任して、つくづく良かったと思う。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_kei Takegawa