〈グッチ(GUCCI)〉を象徴するアイコンは数あれど、創設者グッチオ・グッチのイニシャルを組み合わせたGGパターンは別格の存在だ。
物資不足でレザーが手に入りにくくなった戦争中、〈グッチ〉がレザーに変わるマテリアルとして選んだのがバンブーとキャンバスだった。前者はハンドルになり、後者はボディになった。
キャンバスに強度を与えるために織り込んだ意匠がダイヤモンド・パターン=ディアマンテであり、のちに “GG” を加えたのがGGパターンである。
登場以来、長らくブランドを彩ってきたGGパターンはクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレにとっても虎の子で、これまでもさまざまに料理してきたが、今シーズンはこのアイコンをウールに乗せ、「TOWARDS WINTER コレクション」として冬に最適のアイテムを展開する。
お馴染みのベージュのキャンバスに比べれば一目瞭然だが、これからの季節に相応しい、ウォーミーでノーブルな雰囲気が漂う。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa