「人類の戦いのなかで、かくも多くの人々が、かくも少数の人々から、かくも多くの恩恵を受けたことはかつてない」
チャーチルがそう賞賛したのが英国空軍のパイロットであり、彼らが乗り込んだ「スピットファイア」だった。「スーパーマリン」社が開発したその戦闘機は旋回性能と格闘戦を重視した美しい楕円翼を持ち、1940年7月から始まった英国上空の戦い(バトル・オブ・ブリテン)でドイツの「メッサーシュミットBf109」と勇猛果敢に渡り合った。
〈アイ・ダブリュー・シー(IWC)〉が2003年にリリースした「スピットファイア」の名はイギリスをドイツから救い、“救国の英雄” の異名を持つくだんの戦闘機から採った。
ここで紹介する「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」は英国空軍のために開発された「マーク11 ナビゲーション ウォッチ」をベースに、新たに開発したキャリバー32110を搭載、72時間のパワーリザーブを実現した。ステンレススティール製ケース、ブラックの文字盤、カーキグリーンのストラップ──「スピットファイア」のコックピットからインスパイアされたという精悍なカラーパレットもたまらない。
「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」は、あやかった戦闘機に恥じない機能美を具現している。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa