〈マルニ(MARNI)〉が3パックTをリリースして話題になっている。
パックTといえば無地の白や黒がセオリーだ。ベーシックなファブリックなら大量につくっても廃棄ロスが発生しにくいし、まとめ売りをすることでさらにコストが下げられる。その分お得に、という三方良しのビジネスである。
ところが〈マルニ〉のパックTは、カラフルなボーダー。しかもボーダーのピッチもカラーパレットもバラバラときた。
これは福袋的なあれかと一瞬でも疑ってしまったことを大いに反省した。福袋はハズレがあるのも織り込み済みで、それも楽しみで買うわけだが、このパックTにはハズレがない。どれもそれ一枚でアウター代わりになりうる存在感がある。これはつまり、エースを揃えたスリーカードみたいなものなのだ。
さらりとした肌合いのコットン、太からず細からずのシルエット、そしてネックの後ろに入れたブランドロゴの刺繍──もちろんTシャツとしての完成度は十二分である。
今回はもう一点、カットソーを取り上げた。前後で異なる生地を仕立てたクレイジーパターン&いびつなシルエットといった具合にギミックに唸らされる一着だ。着れば右に傾いちゃいそうだが、いうまでもなく布帛なのでそうはならない。左脇腹あたりにシワが寄ってユニークです。