良いセレクトショップの条件とは何でしょうか? 品揃え、販売員、空間、ホスピタリティ…、美しさの定義が人によって違うように、店の良し悪しも人によって異なるはず。でもフイナム読者の場合、ファミレスのようなシステマチックな店より、辺鄙な場所にあったり、奇抜な店主がいたり、特別なモノを揃えていたり…一癖も二癖もあるちょっと変わった店を好む人が多いように感じます。
そもそもファッションとは自己表現のためのツールであり、コミュニケーションするためのモノ。このご時世、モニター越しにポチッとするのも良いですが、せっかくなら好きな店に足を運んで、手に取って触って、着てみて、あれこれ吟味しながら買った方がいい選択ができるはずです。特にこの店に行くと思い掛けないモノに出会えるかもしれません。
フイナムブロガーの森山真司さんがいる「ディストリクト ユナイテッドアローズ」です。
彼のブログでも触れている通り、9月7日にこの店はオープンから20周年を迎えました。ここではその節目を祝うスペシャルな別注アイテムをクローズアップ。“ディストリクト” ならではのラインナップが出揃ったので早速見ていきましょう。
まずは看板ブランドである〈コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)〉。ブレザーのようなオールラウンドで着られるジャケットをリクエストして生まれたのがこちら。シンプルな2つボタンのジャケットでありながら、内側はダイヤ柄という意表をついたデザインに仕上がっています。このブランドの別注がつくれるのは、日本では “ディストリクト” だけかもしれません。
お次も関わりの深い〈マンド(mando)〉との一品。もともとウィメンズ専門だったこのブランドは “ディストリクト” の別注がきっかけでメンズアイテムをつくりはじめました。最初にリクエストしたものがレザーの服だったということで、今回はレザーパンツを選択。5ポケットのシンプルな形に特徴のある、ハード過ぎない大人の一本に仕上がっています。
3つ目は〈アンダーカバー(UNDERCOVER)〉です。過去にはショップコートやトートバッグを別注でリリースしましたが、今回はデイリーユースに相応しいショルダーバッグをチョイス。特別感のあるグラフィックがボディにプリントされたサコッシュ的なアイテムです。
最後はオーストリア出身のデザイナーが手がけるアクセサリーブランド〈フローリアン(FLORIAN)〉。現在のファッションシーンの流れを汲んだパール風のネックレスです。ジェンダーレスが浸透しつつあるなか、男性でもつけられるパールネックレスを目にするようになりましたが、問題はその価格。その点こちらはガラスビーズを使い、手にしやすいプライスになっているので安心です。
“ディストリクト” が築いてきた歴史は伊達ではありません。これらの別注も服をつくる人たちの思想、哲学、時代の流れなど、背景を熟知した上で依頼したアイテムの数々です。〈マンド〉以外は9月11日から発売中。すでに品切れやサイズ欠品もあるとのことなので早めのチェックがおすすめです。
また、栗野宏文さんと森山さんによるこちらの特別対談もぜひご覧下さい。この店の歩んできた歴史が良く分かります。
ディストリクト ユナイテッドアローズ
住所:東京都渋谷区神宮前5-17-9 2F
営業:12:00~20:00(※営業時間は今後変わる可能性あり)
電話:03-5464-2715
www.district.jp