ダブルブレストのチェスターコートに載せたのは、キャメルベースのダークカラー・チェック。ブラック・ベルベットの上襟で引き締めるさじ加減も上手い一着だ。素材は、ウール。
オーソドックスなミドル丈のコートにはキャメル&ダークグリーンのブロックチェックをオン。柔らかなブラウンで染めたライニングのキルティングが巧妙なアクセントになっている。素材は、ウール・アルパカ。
見るからに肉厚なコットンをまとったトレンチコートは、ココナッツを思わせるブラウンにシャイニーなブラック・キルティングを持ってくる感性に舌を巻いた。
今シーズンに限った話ではないが、共通するのは “色の魔術師” といわれた〈ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)〉ならではの色、そして柄の遊び心である。テーラリングをベースにした抑制的なデザインワークだけに、その遊び心がくっきりと浮かび上がっていた。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa