〈ロエベ(LOEWE)〉を語るときに欠かせないのはレザーグッズだろう。1846年にスペインはマドリードに構えた皮革工房にルーツをもつこの老舗は、ラグジュアリーブランドの一角を占めるに至ったいまも並々ならぬ思いでレザーと向き合っている。ここで紹介するウォレットからも、そんな思いがひしひしと伝わってくる。
ひとつは、ペブルグレインカーフスキンをまとったウォレット。そのシボの美しさは比類ないと形容してちっとも大げさではない。アナグラムをモチーフにしたパラジウム製のバックルがまたいい味を出している。陣容はカードスロット6つ、メモ&紙幣用ラージガゼット、コインコンパートメント。ライニングは同色のカーフで覆った。
もうひとつは文字通りしなやかなソフトグレインカーフスキンのボディに、アナグラムロゴ入りストラップとレザーコードをあしらったウォレット。それぞれ異なる色で染めたポップなカラーパレットがたまらない。陣容はカードスロット8つ 、紙幣収納用ラージスロット、ジッパー付きポケット。ライニングはスムースクラシックカーフスキン。
色使いやディテールのつくり込みはレザーの持ち味を十二分に生かしたものといっていい。クリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンと老舗の相性はすこぶるいいようだ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa