“TEEN KNIGHT POEM” を2021年ウィンターコレクションのテーマに据えた〈セリーヌ(CELINE)〉。
フランソワ1世の肖像画とフレンチ・ルネッサンスを再解釈したというレザージャケット×ベスト、スロープショルダーボンバージャケット×コート。はたまたコルセットやボンバージャケットに施された鎖かたびら…。荘厳といって差し支えない今シーズンのコレクションにあって、いぶし銀の存在感を放ったのはデニムだった。
ミッドウエストにストレートレッグ、あるいはフレアレッグというクラシックフィット。ブラックとインディゴのリジッドデニム、ペンキを散らしながら、上品さを失わないライトブルーのデニム。シルエットも素材も “ほどよい” という形容がぴったりの仕上がりだ。
フランスのシャンボール城という舞台と相まって、そのショーは中世を描いた映画を観ているような錯覚を覚えたけれど、デニムが現実に引き戻してくれた。振り切ったデザインを知っているからこそのスパイス控えめな佇まい──エディ・スリマンのさじ加減は秀逸である。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa