自他ともに認めるメゾンの顔はイントレチャートに代表されるレザーのコレクションだが、〈ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)〉はジュエリーも素通りできない。なかでもシルバー925を使ったものは格別だ。
新作からは3種類のチェーンを組み合わせた躍動感あふれるブレスレットとツイストさせることでやはり動きをつけたリングを、継続人気のコレクションからは水面のように美しいプレートをあしらったブレスレット、そしてダルメシアン柄を思わせる半貴石をまぶしたリングをピックアップした。
華奢なボディを丁寧に磨き上げたそれらコレクションはシルバー特有のストリート色がものの見事に払拭されている。ドレスアップした日のパートナーに選んでなんら見劣りしないだろう。
仕上がりを見れば一目瞭然だけれど、イントレチャートとの共通項は高い技術力に重きを置いている点である。
ダニエル・リーがクリエイティブ・ディレクターに就任したのは32歳のこと。このメゾンを背負うには少々若すぎるのではと危ぶまれたものだったが、蓋を開けてみればまったくの杞憂だった。勝因は間違いなくブランドの伝統へのオマージュがあったからで、それはシルバーのコレクションからもたっぷりと感じられた。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa