フイナムでもその動向を追いかけ続ける仙台発のキャラクター・きっこうちゃん。かわいい顔して実はド変態? でお馴染みのきっこうちゃんが地元を抜け出し、なんと全国ツアーをスタートするとの情報が!
まずは7月から8月にかけて、「渋谷パルコ」6階の「PENGUIN SOUVENIR」できっこうちゃんグッズを販売。これを皮切りに全国の「パルコ」を行脚するとのこと。今回のために製作されたオリジナルグッズの他、再販希望の声が多かった過去のアイテムもお店に並ぶそうです。
このキャラの生みの親であるバチコさんは「全国ツアーはまだ前哨戦のようなものなんです」と話します。この裏に隠された真相を知るべく、インタビュー取材を敢行しました。いつも通りラフな出で立ちで現れた彼女。全国ツアーの先に、なにを見据えているのでしょうか?
ー前回のインタビューは2019年11月末に行いました。そこから世の中が一変しましたが、なにをして過ごしていましたか?
バチコ:去年はいろんな催しを企画していて、ニューヨークの〈パークデリ〉というお店でもきっこうちゃんのイベントをやる予定だったんですけど、コロナで行けなくなってしまって…。そういう目標があって私もモチベーションをキープできていたんですけど、いろんなことがキャンセルになってしまって、ちょっとゆっくりしてましたね。
ーやはりそうですか。ニューヨークのイベントがなくなったのはショックですね…。
バチコ:いま2回目のコラボをしていて、状況がよくなったときに会いましょうと話をしているところなんです。〈パークデリ〉のマイケルも「ブルックリンで好評だよ」って教えてくれたので、早く行けるようになってほしいですね。
ーコロナ禍でゆっくりしている間も、きっこうちゃんを描いたりしていたんですか?
バチコ:お正月に年賀状をつくったりとか、たまにイラストを描いたりとか個人的なことはしていたんですけどね。
ーようやく今年に入って徐々にエンジンがかかってきた感じですか?
バチコ:今年に入ってから〈ジーナシス〉さんが声をかけてくれたり、あとは仙台のソウルフード的存在「らーめん堂 仙台っ子」さんともコラボさせてもらって、そこから徐々に活動的になってきました。やっぱり楽しいなって。
ー去年クラウドファンディングでぬいぐるみもつくっていましたよね。
バチコ:そうなんです! 目標額の300パーセントを達成して、無事にみなさんにぬいぐるみをお届けすることができました。それはすごく嬉しかったですね。みなさんに支えられていて、本当にありがたいです。
ーきっこうちゃんファンがどんどん増えている実感はありますか?
バチコ:そうですね、いろんな企業やブランドとコラボしながらやらせていただいて、特に「らーめん堂 仙台っ子」さんとのコラボで、地元でまだきっこうちゃんのことを知らない方々にアプローチできたのはとてもよかったです。やっぱりきっこうちゃんは仙台生まれなので。
ーそもそもはバチコさんがステッカーをつくったことからはじまり、いまではほぼ仙台ご当地キャラと言ってもいいほど人気が出て、逆に不安やプレッシャーを感じたりしませんか?
バチコ:いま、ちょうどそんな感じなんです(苦笑)。今月末から「渋谷パルコ」でポップアップイベントを開催するんですけど、そこから全国ツアーみたいな感じできっこうちゃんが仙台を飛び出すので、大丈夫かな? 各地で受け入れられるかな? ってちょっと不安はありますね…。
ーついにきっこうちゃんの真価が問われるわけですね。
バチコ:本当にどうなるんだろう…。でも、やってみないと分からないですよね!
ー今回どうして全国ツアーをやろうという話が持ち上がったのでしょうか?
バチコ:「仙台パルコ」さんからお話をいただきました。実は、来年できっこうちゃんが生誕10周年なんですよ。
ーおぉ! もう10年も経っていたんですね。
バチコ:10年も同じことやってるんだなって、自分でもびっくりしてます(笑)。でも、運よくいろんな方々にフックアップしてもらって。私自身はあまり気持ちに変化はないですね。
ー10年もやっていると、きっこうちゃんの絵のタッチが変わりそうですけど、相変わらずゆるふわな感じがいいですね。
バチコ:いや、だんだん上手くなってきてます(笑)。ヘタウマみたいなのがきっこうちゃんの魅力でもあるのかな? と思っていて。そうゆうユルさは残したいですね。
ー全国ツアーの内容はどんなものになるんですか?
バチコ:渋谷を皮切りに5箇所くらい全国の「パルコ」でポップアップをやります。今回のイベントのためにつくったアイテムと、再販の希望が多かったグッズ類をつくりました。
ー具体的にはどんなものがあるんですか?
バチコ:ライター、Tシャツ、文房具、あとはフィンガースケートボードとか。再販の希望が多かったのはスマホケースとか、スマホ用リングとか日常で使えるものが人気ですね。基本的にきっこうちゃんグッズは再販しないんですけど、今回だけ特別にみなさんに喜んでほしいので。
ー定番のステッカーは販売しないんですか?
バチコ:ステッカーは売らない方針なんです。というのも、オマケみたいな感じで考えているので。だから、イベントに来て一定金額以上お買い物をしてくださった方にオマケとしてお渡しする予定です。
ーグッズは身の回り品を中心につくっていると思うんですけど、それは狙いがあるんですか?
バチコ:単純に自分が欲しいものをつくっていて、私はキャラグッズが好きで、やっぱり使えるものがいいっていう想いがあるので。だからそんなに悩まずにアイデアが結構生まれるんです。なにが欲しいかを考えて、どんどんアイデアを出していって、そこから実現可能なものをつくってます。お弁当箱とかも考えていて、どこかで投入できたらいいなと思ってます。
ー今回のグッズの中で気になったのが、この「きっこうちゃん × ちょいブスキーホルダー」なんですが、これはなんですか?
バチコ:「ちょいブスキーホルダー」ってご存知ないですか? 実は私の学生時代の先輩が粘土でつくっているキーホルダーなんですよ。ひとつひとつハンドメイドでつくられていて、普段はいろんなモチーフが使われているんですが、今回のイベント用に特別にきっこうちゃんをオーダーしました。無理を言って100個限定です。
ー他におすすめアイテムはありますか?
バチコ:全部です(笑)!
ーなるほど(笑)。渋谷の次はどこでやるか決まっているんですか?
バチコ:これから決めます。でも、最後は「仙台パルコ」で凱旋イベントをやると決めていて。そこに向けて着ぐるみをつくりたいと考えているんです!
ーついにきっこうちゃんの野望である着ぐるみの制作に着手するんですね!
バチコ:そうですね。それも9月6日からクラウドファンディングを立ち上げて、みなさんに支援を募ってつくろうと思ってます。そのために全国ツアーをして、日本各地のみなさんにきっこうちゃんを知ってほしくて。それに県外のイベントもいままでやってこなかったので、ずっとやりたかったし、いい機会だと思うんです。ただ、クラファンで目標額が集まらないとつくれないのでドキドキしています…。
ー仙台のイベントは着ぐるみの他に、なにかやりたいことはあるんですか?
バチコ:物販に加えて、「きっこうちゃん展」みたいなものを企画しています。これまでコラボしたきっこうちゃんやつくってきたグッズを紹介したり、知り合いのアーティストの方々にきっこうちゃんを描いてもらってそれを展示したり。あとはきっこうちゃんができるまでの過程をお見せする予定です。それとフォトブースもつくりたいと思ってます!
ークラウドファンディングの特典はどんなものをリターンとして考えているんですか?
バチコ:クラウドファンディング限定のグッズをつくる予定なのと、いままでにつくったきっこうちゃんのステッカーを全部リリースして、金額に応じてその中から欲しいものを選べるようにしたいと思っています。「○◯とコラボしたきっこうちゃんステッカー欲しい」っていう声もあったりして、コレクションされている方も中にはいらっしゃるみたいなんです。なので、この機会に自分が持ってないものとか、欲しかったけど手に入れられなかったものをゲットできるチャンスですね。
それと、直筆きっこうちゃんも特典の中に入れます。サポートしてくれた方のリクエストを伺って、例えば「スケボーに乗ってるきっこうちゃん」だったら、その通り描きます。それに加えて、その方の似顔絵もお渡しする予定です。これまで手描きのきっこうちゃんを描くイベントをやったことはあるんですけど、このご時世なのでできなくて。それよりも豪華なものを描こうと思ってますね。
ーやっぱり、着ぐるみにはバチコさんが入るんですか?
バチコ:それが私のやりたかったことなので、入ります!
ー動くきっこうちゃんははじめてですよね。
バチコ:そうですね。快活なキャラクターではないので、ハキハキはしないと思うんですけど。きっこうちゃんってどうやって動くんだろう。
ー「#カラダ以外は縛られたくない」というきっこうちゃんのモットー以外に、キャラ設定とかあるんですか?
バチコ:あまりないんですよ。最初は「きっこう星からやってきた」とか考えてたんですけど、あんまりしっくりこなくて。だったらなくてもいいかなと。私が生み出したキャラクターではあるんですけど既に独立した存在なので、そうした設定は不要かなと思ってます。ふわっとしたきっこうちゃんでいてくれたら。
ー来年は10周年のアニバーサリーイヤーとしてなにか予定していることはありますか?
バチコ:なにかやりたいと思ってますが、いまは全国ツアーのことでいっぱいいっぱいなんです。ツアーでいろんな場所を回りながら、なにかアイデアを練りたいと思ってます。
ー忙しすぎてきっこうちゃんのことキライになったりしないですか?
バチコ:それはないです! 私が忙しいのはきっこうちゃんのせいじゃないし、むしろきっこうちゃんがこれだけ有名になってくれて私は嬉しいんです。逆にこんなに有名になっちゃって大丈夫かな、という不安はありますけど…(笑)。
ー全国ツアーでたくさんのファンが増えるといいですね。
バチコ:そうですね。たくさんのお客さんが来てくれたら嬉しいです。そして着ぐるみをつくることができたら言うことありません。
ー着ぐるみができたらまた、全国ツアーをしてもおもしろそうですね。
バチコ:それもいいですね! やってみたい。
ー本当に「サンリオ」みたいになったらすごいですよね。
バチコ:そしたらすごい嬉しいです。でも、縛られているからきっと無理です(笑)。
2年前とは比べものにならないほど忙しそうなバチコさん。野望である着ぐるみの制作に向けて、虎視眈々と準備を進めています。全国ツアーを皮切りとしたきっこうちゃん10周年に向けての数々の催し、みなさんどうぞお見逃しなく!
GOODS FOR KIKKOUCHAN POP UP STORE 2021
Photo_Kazuma Yamano
Text_Yuichiro Tsuji
クラウドファンディング
〜『きっこうちゃん』の着ぐるみを作って、地元仙台で展覧会を開催したい!〜
サイト:CAMPFIRE
期間:9月6日(月)〜10月17日(日)
クラウドファンディングのサイトはこちらをクリック
きっこうちゃん
Instagram:@kikkouchan