新陳代謝の激しいファッションシーンのなかで、50年以上にも渡り上質なフレンチ・トラウザーズを提供してきた〈ベルナール ザンス(BERNARD ZINS)〉。日本でも1980年代から卓越したテイラー技術が評価され、フランスを代表するパンツ専業ブランドとして愛されてきました。
今回は、そんな〈ベルナール ザンス〉の傑作モデルをシルエット別にご紹介。フレンチスタイルの再燃を後押しに、再び黄金期を迎えているだけあり、新調するならいまが狙い目です。
ハイウエストからストンと綺麗に落ちるストレートシルエットが特徴的な「H 8」。股上は深めのツープリーツが入っていて、プリーツが内側に向く「インプリーツ」は、フレンチ・トラウザーズを代表するディテールのひとつです。
チョークストライプ柄のウールフランネルは、遊びと温もりを演出。ニットやスニーカーと合わせれば、品の良いリラックススタイルの完成です。
約半世紀にわたる歴史のなかで〈ベルナール ザンス〉が生み出してきた膨大なアーカイブは、いまもフランス本社で大切に保管されています。こちらの「ガストン」は、そのなかに眠っていた1980年代のサンプルにインスピレーションを得て誕生したモデルです。
一見ベーシックなウールスラックスに見えますが、ポケットの位置にご注目。実はサイドではなくフロントに備えられていて、これはデニムパンツのディテールをミックスさせたもの。クラシックでありながらカジュアルなムードが漂います。ワイドとスリムの中間を行くシルエットは、どんなトップスにもハマる高い汎用性も魅力です。
こちらも同じく「GASTON」シリーズからの一本。素材には程よくシャリ感のあるコインツイルを採用。ブラックデニムのようなラフさを残しつつ、美しいストレートシルエットが上品さも感じさせます。ルックのようにセンタークリースを入れて、ドレッシーに穿いてみるのも良さそうです。
「ユナイテッドアローズ」の別注モデル「JEFF」は、谷折りに入ったプリーツがユニーク。これによりウエスト周りがふんわりと広がり、動きに合わせてプリーツの表情も変わっていきます。ゆるやかなテーパードが効いたワイドシルエットは、落ち着いたダークブラウンと相まって洗練された印象に。とろみのあるストレッチ素材による優雅なドレープも見逃せません。
スポーティな着こなしに合わせるなら、「ビームス」がアレンジした「VERNEUIL」がオススメ。素材にはドライタッチでありながらヴィンテージのような風合いも兼ね備えたブラウンツイードを採用。すっきりとしたレギュラーシルエットは、オーバーサイズのトップスとの相性が良く、コーディネートを引き締めてくれます。
「トゥモローランド」とつくった「WALLIS」は、今日のスタンダードであるリラックスシルエット。他モデルと比較して股上が深く、ウエストには深めのインプリーツが入っているため、ゆったりと穿けるデザインに。素材にはウールを採用し、グリーン味を帯びたニュアンスカラーはフレンチブランドらしさ満載。トップスはベージュやホワイトといった優しいトーンを選んで、クリーンに穿きこなしてみてはいかがでしょう。