クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソンが一枚の写真をインスタグラムに投稿して業界がざわついた。大写しになった〈ロエベ(LOEWE)〉のショッパーからちらりと覗いていたのは、坊ネズミ。映画『千と千尋の神隠し』のキャラクターである。そう、〈ロエベ〉は昨年の『となりのトトロ』に続き、再び「スタジオジブリ」とコラボレーションしたのだ。
「ロエベ財団」は「三鷹の森ジブリ美術館」を運営する「徳間記念アニメーション文化財団」と向こう3年間のスポンサーシップ契約を締結している。このたびのコラボレーションはその一環というわけだ。
〈ロエベ〉のラブコールに坊ネズミはもちろん、千尋やハク、湯婆婆、カオナシ、アオガエル、オオトリさま、ハエドリ、ススワタリといった主要キャストが揃ってひと肌脱いだ。ジャカード、プリント、アップリケ、パッチ、レザーマルケトリー、刺繍…職人技を駆使し、彼らを縦横無尽にあしらったコレクションはもはやアートの域にある。日本伝統の技法であるぼろ織りを駆使した服やバッグにも注目したい。ぼろ織りとは着古した野良着などを裂いて織り直した、サステナブルな時代に相応しいものだ。
手触りと立体的なフォルムに神経をとがらせたというジョナサンは、『千と千尋の神隠し』とのコラボレーションについて大要、次のように語っている。
「スタジオジブリ」はストーリーを生み出す力と、それをかたちにするための手作業へのこだわりを持っています。ぼくらはそこに、シンパシーを感じました。なぜならば、〈ロエベ〉もまた、クラフトの可能性を信じるメゾンだからです――。
発売開始は1月7日。同日より完全予約制のポップアップストアもスタートしている。会場は古民家をリノベーションした「アンノン原宿」。「スタジオジブリ」から提供された展示物もそこかしこを飾り、映画の世界に迷い込んだような空間が広がっているというからファンならずとも見逃せない。会期は1月16日(日)まで。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
千と千尋の神隠し
ポップアップストア in 原宿
会期:〜1月16日(日)
会場:アンノン原宿
時間:10:00〜19:00
住所:東京都渋谷区神宮前6-5-10
オフィシャルサイト
ロエベ ジャパン クライアントサービス
電話:03-6215-6116