CLOSE
NEWS

若者たちの刹那の夢は、宇宙を創造する。実在した団地を舞台にした、2人組監督の長編デビュー作『ガガーリン』。

ドキュメンタリー、ファンタジー、SF、ヒューマン。どの言葉にも当てはまるけれど、どの言葉でも括り切れない。『GAGARINE/ガガーリン』は計り知れない映画であることを先に記します。

STORY
パリ東郊に位置する⾚レンガの⼤規模公営住宅 “ガガーリン”。この場所で育った16歳のユーリは部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙⾶⾏⼠になることを夢⾒ていた。⽼朽化と24年パリ五輪のために取り壊す計画が上がった団地では、次々と住⼈の退去が進むが、ユーリは帰らぬ⺟との⼤切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと⼀緒に取り壊しを阻⽌しようと動き出す―。

物語の主人公・16才のユーリを演じるのは、今作で才能を⾒出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えなぬほどの⾼い演技⼒で、主⼈公の揺れる⼼情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか、各国の映画祭にて主演男優賞を受賞しました。

他キャストは、ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』にも出演する注⽬の若⼿⼥優リナ・クードリ、そしてなんとレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンも、特別出演しています。

社会に問いかける壮大なテーマ、そして豪華な顔ぶれ。どこの国の名監督かとクレジットに目をやるとファニー・リアタール、ジェレミー・トルイユという名前が。

聞けば、ふたりは学生時代を共にし、その後世界を旅して出会ったひとびとの影響で映画制作の道に転向。2014年に脚本コンテストで優勝して制作した短編作品『GAGARINE(原題)』を、今回長編デビュー作として発展させたそうなんです。

世界の現状を肌で知っているふたりだからこそ、ナイーブなテーマを生半可に扱ってはいけないという責任感が画面を通しても伝わってきますし、だからこそ、このような繊細かつあたたかな物語が紡げたのでしょう。

“宇宙” がキーワードなだけあって、雄大で美しい映像も見どころ。若者たちの繊細な心の機微が感じられる脚本だけに、より映像のパワーがひしひしと感じられます。

国籍・性別・環境を問わず、どんな若者でも必ず直面する、外の世界への不確かな憧れと、内の世界への未練のあいだで揺れる “葛藤”。ユーリは何をよすがに夢へと突き進んでいくのか、ぜひ劇場でご覧ください。

INFORMATION

映画『GAGARINE/ガガーリン』

公開日:2022年2月25日(⾦)
監督:ファニー・リアタール、ジェレミー・トルイユ
出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァン
原題:Gagarine
配給:ツイン

新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開
2020|フランス|95分|カラー|シネスコ|5.1ch|フランス語|

公式サイト

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP > NEWS

関連記事#映画

もっと見る