〈マルニ(MARNI)〉が〈ヴェジャ(VEJA)〉とコラボレーションしたシューズをローンチした。クリエイティブ・ディレクター、フランチェスコ・リッソは〈ヴェジャ〉のサステナブルなスタンスに共鳴して白羽の矢を立てたという。両ブランドがタッグを組むのは今回がはじめて。
〈ヴェジャ〉は高校時代からの友人であるフランソワ・ギラン・モリィヨンとセバスチャン・コップが2005年に立ち上げたフランスのシューブランド。ポルトガル語で “みる” の意になる〈ヴェジャ〉はその名の通り生産現場をつぶさに観察して、地に足のついたものづくりを一歩一歩進めている。圧巻はソールの原料となるラバーだ。
契約するゴム農夫は早朝、アマゾンの奥深くへと向かい、自生するパームツリーに切り込みを入れる。村に戻り、日々の雑務をこなした農夫は夕方になると再びパームツリーのもとへ。農夫は時間をかけて滴り落ちた樹液を採取すると、その日のうちに精製する――というなんとものどかで手間のかかる方法をとっているのだ。
サステナブルな視線はこのシューズに貫徹している。アッパーは環境保護の国際団体であるLWG(レザーワーキンググループ)に認証された工場が鞣したレザー、ライニングはオーガニックコットン、シューレースはリサイクルポリエステルが採用される。
リッソはこれをまるで子どもの落書きのようなハンドペインティングで仕上げた。「子どものように無心に遊んでいるときこそ、ひとは本当の自分になれる。そして手仕事を重んじる〈ヴェジャ〉とそのデザインアプローチは相性がいい」というのが理由だ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa