ホワイトマウンテニアリングとサルバムの共作に、理想的なコラボレーションの形をみました。

様々なコラボレーションが世には存在しますが、これほどまでに清々しく、風通しのいい企画はなかなかないのではないでしょうか。

この度、〈ホワイトマウンテニアリング（White Mountaineering）〉と〈サルバム（Sulvam）〉が初の共作を完成させました。

〈サルバム〉が得意とする手引きのパターンによる流麗なカッティングと、〈ホワイトマウンテニアリング〉のなかの1ライン「BLK（BLACK LAYER KNOWLEDGE）」の緻密な技術が見事に融合。

今回制作されたのは、高い防風性と優れた透湿性に加え、50デニール・リサイクルポリエステルの表地と軽量ポリエステルのニットの裏地で構成された、非常に柔らかいGORE-TEXINFINIUM 3Lファブリクスを使用したセットアップです。

¥74,800 WM×sulvam GORE-TEX INFINIUM JERSEY LAPEL JACKET

過去の「BLK」のラペルジャケットよりも長めの丈、細めの袖、大きめのラペルが特徴。

記念すべき初のセッションを終えた〈ホワイトマウンテニアリング〉の相澤陽介氏と〈サルバム〉の藤田哲平氏に、今回メールインタビューを敢行してみました。

まずは相澤氏の回答からどうぞ。

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Q：今回のコラボレーションに至った経緯は？ デザインに関するポイントや、互いのブランドのフィルターを通してみた点など

BLKでは自分が着用する機会が多くなっているジャケットのスタイルを作っていて、今回、テーラリングとなったときにまず彼にパターンを引いてもらいたいと思ったのが、コラボレーションのきっかけです。
自分も藤田君もバイクに乗っているので、その時に使えるファンクションをベースとして、セットアップとして提案できる、機能的でありパターンメイキングの妙を感じることができる仕様となっています。

Q：お互いのクリエイションに関する印象

藤田君とはものづくりのテイストが全く異なりますが、向き合う姿勢や現状を打破するために挑戦する志など、とても共感できる存在であり友人です。年下ですが、尊敬できるデザイナーでありライバル。

Q：今後のブランドについて

コロナ禍をきっかけに長野の山にアトリエを作って、そこで創作活動を行っています。東京と山を行き来しながらWhite Mountaineeringの世界観を作っていければと思っています。

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セットアップのパンツはゆったりとしたリラックスシルエットのジョガーパンツとなりました。

¥40,700 WM×sulvam GORE-TEX INFINIUM JERSEY TECH JOGGER PANTS

後ろベルトにゴムが入り、内側のスピンドルでサイズ調整可能なイージー仕様。

次は藤田氏の回答をご覧ください。

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Q：今回のコラボレーションに至った経緯は？ デザインに関するポイントや、互いのブランドのフィルターを通してみた点など

今回相澤さんから、1ルック一緒にやらないか？と連絡をいただき即OKをしました。WMとsulvamは世間から見たら異なるデザインの服を作っていると印象はあるかと思いますが、お互いのマインドと言いますか、物作りに対する気持ちは同じだと思っています。
WMで使っている素材をsulvamとして解釈しWMの服へと落とし込む。
しかも相澤さんと僕は服の作り方が異なり、生地を実際に触り、手引きでパターンを引くと同時にデザインをするのが僕で、相澤さんは明確なビジョンがデザイン画、生地の制作の時点である。
そんな相澤さんが僕にやってみないか？と声をかけた時点で迷いはなく、おそらくお互いの中で成立していたのだと思います。ミーティングといっても雑談のような感じで意見を話し合い、すぐパターンを引き制作しました。
sulvamは基本的にウール、コットンなど、天然繊維を多く使用しますが、今回提示された生地は今まで僕が触れなかった生地。デザインの面でその中にダーツを組み込んだり、体の動きを妨げないセットアップを制作しました。
これは、僕が感じているWMに対してのsulvamからの答えです。初めてsulvam以外のブランドへ、パターンとデザインを引きました。
時間はかからず、自然と手が動きスムーズに制作できました。相澤さんは「任せるよ」と言った時点で、僕がどうするかを解っていたのだと思います。今回の服を作りながら、僕自身新しい感情が芽生えたのも事実です、楽しかった。

Q：お互いのクリエイションに関する印象

相澤さんは僕より長くこの世界にいて、敬愛する先輩です。毎回パリでもショウを見させてもらうたびに、色々と僕の感情も引き立てられます。お互いのクリエイション、やり方は違えど、見ている場所は一緒なので。
出会いは僕がpitti uomoで初めてスタジオレオポルダという、大きい会場でランウェイをすることが決まった時です。相澤さんはそこで2回もランウェイを成功させていましたし、その頃は僕一人でsulvamを運営していたので、かなり相談に乗ってもらい、腹を割って悩んでいることなどを聞いてもらい、フォローしてくれました。その頃から隠すことなく意見を話してくれる人というのは知っていました。
ブランドの方向性や表現の方法の違いなどは関係なく、視野を広く持っていて、それに対して的確なアドバイスをくれる。そんな人です。あまり煽るようなことは言いたくないですが、背中を見せてくる数少ない先輩です。まあ、負けないように僕も精進します（笑）。

Q：今後のブランドについて

1月の末にフランスに法人を作り、パリにアトリエを構えました。結局はパリが好きで、ビジネスをしていく場所でもあるのですが、単純に好きな場所で仕事をしたかったので。
この先の明確なビジョンはありません、というか常にありませんが。やりたいことをやるだけかなと思ったので。こういうふうに思えるのも相澤さんをはじめとする、僕よりも先輩の人たちが色々なことで結果を出しているので、僕自身もやってみようと思えるのだと思います。
敬意を持って、僕も前に進んで行こうと思います。

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いかがでしたか？ めちゃくちゃいい関係性ですよね、この二人。これこそがコラボレーションだと思うのです。

そして、こういういわゆるメール取材ってなかなか難しいものだったりするのですが、二人の回答は実に濃厚で、今回のコラボレーションを理解する上で、何よりの道標になるのではないでしょうか。

発売は3月5日（土）です。下記の店舗のみでの取り扱いになります。