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FEATURE
ホワイトマウンテニアリングがパリで魅せた “等身大” のクリエイション。
White Mountaineering 2024-25 AW Collection

ホワイトマウンテニアリングがパリで魅せた “等身大” のクリエイション。

「自分自身でつくった服を身につけ、多くの旅をした」と語る相澤陽介さん。〈ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)〉の2024-25年秋冬コレクションは、“Destination” をテーマに彼が世界で目にした景色からイメージを広げています。その底流にあるのは、46歳になったデザイナーが考える理想の男性像。メンズウェアの品格や装い、トラッド、アウトドアといった要素に加えて、ファッション以外にもデザインの領域を広げる彼の経験がそこに厚みをもたらしています。18回目となるパリでの発表の直後、興奮冷めやらぬバックステージでつくり手本人に声を掛け、今回のクリエイションと今後のブランドの展望について話を聞きました。

PROFILE

相澤陽介
デザイナー

1977年生まれ。2006年に〈ホワイトマウンテニアリング〉をスタート。アウトドアの要素を咀嚼し、取り入れた服が支持を集め、15年からパリでの発表をスタート。現在、個人ではJリーグ「北海道コンサドーレ札幌」の取締役兼クリエイティブディレクターを務める。
Instagram:@yosukeaizawa

自分のライフスタイルを投影したコレクション。

ー今シーズンは、現在の自分が理想とする男性像を表現したコレクションだと聞きました。まずはテーマやデザインのプロセスについて教えてください。

相澤陽介(以下、相澤):今回のテーマは “Destination” です。旅に限らず、日常の中で移動するということから輪郭を描いたコレクションになっています。いろいろなオケージョンがあって、46歳の自分だったらこのシチュエーションで、こういうスタイルをするというところからイメージを少しずつ広げていきました。「自分が使う」ことを念頭に置きながら、着るひとにどんな影響を与えられるかというのを真摯に考えました。その中でもファーストルックが象徴的だと思います。

ショーの構成は、前半が現在の自分が理想とする男性像。スラックスなどを軸にしたメンズウェアとしての品格や紳士的な装いを意識しました。中盤は、旅や移動というテーマに沿ったカジュアルスタイル。後半は〈BLK〉のテクニカルウエアが中心です。

ランウェーには全部で45のスタイルが登場。特に象徴的な10体をピックアップ。

ーご自身の着たいものやライフスタイルをコレクションに投影したということですか。

相澤:そうですね。パリで発表する服は、自分の経験に基づいたものを大事にしたいと考えています。エレガントでジェントルマンな男の服をつくるために、自分がそれを着て、週末にクルマで山に行く。そして、東京に戻ってハードワークするというのがいまのルーティーンです。

ものすごく当たり前のことなんですが、自分がつくる服は自分が一番のユーザーになり、着心地だけではなく生活スタイルを含めて深掘りしないといけないと思うようになりました。

3年前から東京と軽井沢の二拠点生活をはじめたんですが、その理由のひとつは、特に〈BLK〉に関して、どこまで機能美にこだわったものがつくれるのか。上がってきたそのサンプルを着てすぐテストできる環境が欲しかったというのもあります。例えば、バイクで軽井沢の山林を走れば、自分で速度をコントロールして、ウエアの防寒性や防風性をテストできるじゃないですか。

それにひとりのときに、部屋で着るリラックスウェアやルームシューズ、移動時のバッグなど気を抜いてしまいそうなものも、よりこだわりを持つようにしたいと考えています。そこから生まれたのが「Repose Wear」というラインです。

東京の喧騒から離れて、映画を観たり、本を読んだり、時間の使い方とリズムが変わりました。自分の経験を表現したようなものをつくりたいと、軽井沢にも拠点を設けてからより強く思うようになったんです。

INFORMATION

ホワイトマウンテニアリング

電話:03-6416-5381
オフィシャルサイト
Instagram:@whitemountaineering_official, @blk_whitemountaineering

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