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AKLOが歩む音楽ビジョンと、今週末のヴィジョンでのライブ「ザ ウォーカーズ」のこと。

オーバーグラウンドからアンダーグラウンドまで、ストリートで活躍するキーパーソンたちがつくりあげるYouTubeチャンネル「インスピレーション カルト メディア(INSPIRATION CULT MEDIA)」。そのライブ収録パーティー「THE WALKERS Supported by JOHNNIE WALKER」が、4月23日(土)に渋谷のクラブ「サウンドミュージアム ヴィジョン(SOUND MUSEUM VISION)」で開催されます。

“KEEP WALKING”の精神で200年以上に渡り歩み続けてきた〈ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)〉サポートのもと、光が届きづらい日々の真っ只中でTOKYOカルチャーが新たな道を切り開きます。

ライブステージを務めるヒップホップアーティストのAKLOさんも、一緒に歩みを進める一人。彼のスタジオを訪ねて、カルチャーシーンへの想いやその懐の奥にあるマインドとインスピレーションを覗きます。

東京の日々を楽しく過ごすバイブス。

ー 並んでいる機材、スニーカー、愛車のピストバイク…どれもAKLOさんらしさを感じるものばかりです。普段、これなしではやっていられないというくらい好きなことはありますか?

AKLO:自転車がめちゃくちゃ好きで、雨が降っていなければ基本はチャリで移動したいですね。東京はすごく好きなんですが、難点はストレスが多いこと。オレはじっとしていられないタイプのひとだから窮屈なところとかは嫌で。だから渋滞が多いなかで、自転車が移動手段としていちばん自由なんですよ。

自転車のなかでもピストなんかはスケボーに乗って出かけるのと近い感覚で、移動がスリリングで面白いものになります。自転車は東京で楽に生きていくための手段のひとつですね。

ー ライブに向かうときも自転車に乗ると聞きました。

AKLO:そうそう。バイブスがよくなる!

ー AKLOさんと言えばファッションも注目されています。意識していることはありますか?

AKLO:普段着には結構こだわりがあって、気に入った服をもう1着買ったりします。いっぱい着て自分のなかでしっくりくるパーフェクトな服って、選ばれしものなわけで。

そういう”これ完璧じゃね?”みたいなものを持つようにしています。ミニマリストではないとはいえ、ものは減らしていかなくちゃいけないじゃないですか。だからといってビビって買わなくなるのも違うなと思うから、買ったけどやっぱり着ないなってものは後輩にあげたりして。損切りみたいな、そういうふうに考えてます(笑)。

ー パーフェクトな一着に出会うまで、投資で服を買っていくような感覚でしょうか?

AKLO:そうじゃないと、一生同じ服になっちゃうでしょ? それだと面白くなくて。別にスティーブ・ジョブズになりたいわけじゃないから、そのときそのときの自分のスタイルを持ちたいんです。

幸せの定義。

ー オフの日は音楽から離れているんでしょうか?

AKLO:まずオフの日はとくに決めていなくて、1日のなかにオフの時間がある感じです。朝がめちゃくちゃ早くて、毎日4時に起きて作業をするんですよ。8時くらいまでが作業のゴールデンタイムで、11時くらいまでにはやるべきことを終わらせます。それからの時間は好きな音楽を聴いたり散歩をしたり、メロウに過ごすかな。

ー オフタイムでもやはり音楽は欠かせないんですね。その道を歩もうと決意したきっかけって何だったんでしょう?

AKLO:黒人に対するコンプレックスがめちゃくちゃあったの。ヒップホップが好きだから憧れがすごくて。元々ラッパーになりたかったけど、途中で“黒人じゃないと最終的に辿り着かないんじゃね?”みたいな壁を感じてしまって。それでアメリカのヒップホップシーンに携わろうと思って裏方を目指したんです。ニューヨークのエンジニアの学校に行きながら、ハーレムってところで自宅兼スタジオをやっていて、そこに来るラッパーを格安でレコーディングしてあげてました。“リズム感悪いなコイツ”とか“音痴だな”とか、エンジニアとして色々直したりして感じて。

オレの中のコンプレックスって結局、人種じゃないんだなっていうことは向こうの若い子たちをレコーディングしながら思いましたね。自分でネガティブになっていたことに気づかされて、オレの方が上手いんだし日本語ラップに貢献する活動をしなきゃダメだなっていう決断をして、帰国したのがきっかけかな。

ー ヒップホップへの愛とリスペクトが溢れすぎたからこそ、いまの立場になるまでちょっと遠回りになってしまったんですね。

AKLO:もう本当に好きすぎて裏方を目指したっていう。だからいまもで自分でレコーディングするし、それが当然なんだけど。

ー ご自身の作品や共演作品、さらにプロデュースを手がけたりもされています。AKLOさんにとっての音楽を言葉で表すと?

AKLO:“SPARK”! 自分の中での閃きみたいな時もそうだし、イキイキして“ヤベエ!!”ってなる瞬間。それをできるだけ多く人生で味わいたくて、そのためにいつも音楽が役立ってくれますね。ライムを思いついて、“それキテるよ!”ってヤバい自分に驚くみたいな。オレしかいないのに(笑)。

ー (笑) それも朝の4時頃ですよね?

AKLO:そうそう、そういう気持ちってすごくよくない? これが味わえるから、音楽は自分の人生の“SPARK”っていう感じかな。そこはオレの幸せの定義でもあって、“SPARK”できないときは不幸せですね。

困難な状況に立ち向かい歩き続ける。

ー 不幸せ…いわゆるスランプになることもありますか?

AKLO:そういう時期、あったね。“もうダメだ。一生何も思いつかねぇかも”みたいなネガティビティなんだけど。でも、それを何度もクリアしてきて、いまは自分のなかの解決方法があるから、スランプにはそんなに陥らないんですけどね。

ー AKLOさんなりの解決ってどういう方法なんでしょう?

AKLO:失敗作をつくる、っていう作業をする。いい作品をつくろうとするから詰まるから“じゃあ、自分のなかでダサい曲ってどういう曲?”って逆に自分に聞いて“そこがクリアになったらカッコいい曲が作れんじゃね”みたいな感じで。そうしたら何か見えてくる。先に影をつくる感じ。

ー いまは世の中的にもコロナ渦でネガティブな状況ですが、アーティストとして受けた影響などはありますか?

AKLO:コロナの最初のころにZORNと一緒にやろうとしていたライブを中止にしました。自分が独立してからの大きな勝負だったし、その後の補填も何も決まってなくてすごく不安で、やっぱりキツい。そういう始まりでした。それからいろんなライブがキャンセルになったりして、自分も1年以上ライブをしないで自粛していたのに呼ばれて出演したらそこで問題があったりして。全員ついてないんだけど、その中でも自分は特にコロナ運ないなって思っています。実現できるかは分からないけど、いまはライブのオファーが来たら受けるスタンスです。

ー クラブをはじめとするカルチャーシーンは難しい状況にありますよね。AKLOさんから見て思うことはありますか?

AKLO:オレの親父が“アーティストはクリエイティブだからこそ、こういうときに面白いことをやらないとダメなんじゃない?”と。そういうこと滅多に言わない人なんだけど。それで配信ライブをこのスタジオからやったんですよ。それがすごく好評で、面白いなって思いました。自分は配信ライブは生放送で見てもらいたくて、そしたらその場でみんなで共有している感じが出るじゃないですか。アーカイブを残さないって自分のルールで続けていきたかったんだけど、残念なことにそれを録音してアップする人が現れちゃいましたね。

デジタルタトゥーとしてこの世の中に残ってしまうと考えると、“一生残るじゃん”ってバイブスになるから、緊張感が増しちゃうんですよね。もっと気楽に、ライブってその場の空気でその場の発想で“SPARK!”するのがいいところなんだけど。

ー 今回の“THE WALKERS”ライブにはどのようなメッセージを込めたいですか?

AKLO:何より「VISION」っていう場所が自分のなかでは衝撃的なハコだったからなくなるのがすごくショックで、前回が最後だろうなと思っていたんだけど、ラッキーなことに今回呼んでもらえて、もう一回ライブができるうれしさと感謝の気持ちがすごくありますね。コロナとは関係なく、最近はライブハウスでのデイイベントが多かったから、ナイトタイムでのクラブイベントはレアで。そういう意味でも、すごく久しぶりにパーティーな雰囲気で、しかもICMと一緒だからより東京を感じるし、楽しみ! ゲストのNORIKIYOくんと一緒に演るのも久々なので、ちょっと渋い感じで魅せられたらなと思っています。

ー パフォーマンス予定の楽曲をこっそり教えていただけますか?

AKLO:NORIKIYOくんとは「百千万」っていう曲はやりたくて、あとは自分的にはいつも演らないような曲を…。「Roller Coaster」って新しい曲を演れるのはやっぱり楽しみだな、初なので! ライブだとよさが伝わるかなと思っています。

ー では最後に、アーカイブ化される今回のライブですが、AKLOさんの意気込みを一言お願いします!

AKLO:映像に残るということで緊張感はちょっとあるんですけど、会場の雰囲気を録音するような感じで、あまりカメラを意識せず会場にフォーカスして演りたいですね。なので、会場をROCKできればなと!

INFORMATION

THE WALKERS Supported by JOHNNIE WALKER

会期:4月23日(土)
場所:SOUND MUSEUM VISION
住所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル B1
時間:22:00〜5:00
料金:DOOR ¥3,500 / ADV ¥2,000

オフィシャルサイト

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