〈グランドセイコー(Grand Seiko)〉の新作が9月9日にリリースされた。「44GS 現代デザイン」のレギュラーモデルがそれだ。
1967年に誕生した「44GS」は “セイコースタイル” を確立したモデル。“セイコースタイル” とは歪みのないザラツ研磨に象徴される、日本固有の美意識をプロダクトに昇華した〈グランドセイコー〉独自のデザイン文法である。
鏡面が放つ光と立体的な造形が落とす陰――。そのコンストラストはまさに光と陰をデザインに採り入れた日本建築を彷彿とさせる。
「44GS」のアイデンティティを受け継ぎつつ、現代の感性でブラッシュアップした「44GS 現代デザイン」はオリジンに比べても遜色がない。
放射模様をあしらったシルバーダイヤル、ぬくもりを感じさせるボックスガラス、ダイヤルデザインを引き立てるインデックスと時分針。グレートーンでまとめたボディは凛とした存在感を放つ。
なにより見逃せないのは「44GS」史上最小となる36.5ミリ径のケースだろう。クラシック回帰が進む時計業界にあって、もろにいまの気分に刺さる一本である。
ムーブメントはキャリバー9S64(手巻き)。パワーリザーブは約72時間。精度は静止時で+5~−3秒、携帯時で+10~−1秒。