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連載「憧れの逸品」No.296 ポストパンクなコム デ ギャルソン・オム プリュスの3rdシューズ。

〈コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)〉がジョン・ムーア&ジョージコックスとコラボレーションしたシューコレクションの第三弾をリリースした。

艶やかなレザーをまとった、メダリオンとパーフォレーションで構成されたロングウィングチップ、そして分厚いクレープソール、クリーパーズ――鼻の奥がツンと痛くなるような懐かしさを感じさせるが、それも当然だろう。

ジョンはロンドンの名門靴学校「コードウェイナーズ・カレッジ」を卒業すると、1987年に「ハウス・オブ・ビューティ・アンド・カルチャー」をオープンした。名にし負うポストパンクを牽引したショップであり、夭逝したジョンは神格化された(共同経営者はクリストファー・ネメス。クリストファーもまた、稀代のデザイナーと謳われたデザイナーだ)。

クリーパーズは靴の聖地、ノーサンプトンで創業したジョージコックスが1949年に考案したソールであり、1950年代はロンドンのテディボーイズが履いてストリートを駆け巡り、1970年代はパンクスが履いてステージを跳ね回った。

かの地のユースカルチャーの歴史を振り返ったとき、燦然と輝くのがジョン・ムーアであり、ジョージコックスであり、クリーパーズである。

今シーズンの〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉は中世の宮廷道化師をコンセプトに据えている。リリースによれば、彼らはどうやらパンク精神を備えていたようだ。




今シーズン、用意されたのはイングランド製の二型。共にジョージコックスとジョン・ムーアが共作した時代のシューズをベースにつくられている。ウイングチップ ¥99,000、メリージェーン ¥94,600

靴の内側にはゴールドカラーでそれぞれの名前があしらわれている。

Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

INFORMATION

コム デ ギャルソン

電話:03-3486-7611
オフィシャルサイト

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