CLOSE
NEWS

A24製作、映画『インスペクション ここで生きる』が本日公開。時代や社会のなかで足掻くひとの、行く先を照らす映画です。

舞台はイラク戦争が長期化する2005年・アメリカ。主人公は、ゲイであることで母に捨てられ、社会からも除外され、生きるためにすがるような想いで海兵隊に志願した青年フレンチ。

新鋭監督エレガンス・ブラットンの実体験をもとに制作された映画『インスペクション ここで生きる』が、本日8月4日(金)より公開されます。

予告の冒頭だけでは、一見戦争映画かとあたりをつけそうになりますが、これは軍隊を舞台にした、主人公のアイデンティティを探る物語。そして「母と息子」の関係性を描いた物語。「A24」印の新作を、ご紹介しましょう。

STORY
主人公の青年フレンチは、ゲイであることで母に捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活を送る。どこにも居場所を許されず、自らの存在意義を追い求め、そんな彼は、生きるためのたったひとつの選択肢と信じて海兵隊への入隊を志願する。だが、訓練初日から教官の過酷なしごきに遭い、さらにゲイであることが周囲に知れ渡るや否や激しい差別にさらされてしまう……。理不尽な日々に幾度も心が折れそうになりながらもその都度自らを奮い立たせ、毅然と暴力と憎悪に立ち向かうフレンチ。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の信念は、徐々に周囲の意識を変えていく。

さまざまな障壁と対峙し、幾度も自らの存在意義を疑い、それでも ”自分” を探し続けたフレンチ。オーディション時から監督が感銘を受けたというジェレミー・ポープ(『ハリウッド』Netflix/2020、『あの夜、マイアミで』Netflix/2021)が演じました。

定義しにくい感情を見事に表現し、第80回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(映 画・ドラマ部門)にノミネートされたほか、世界各国で高い評価を受けました。

フレンチを見捨てる母親役には、ガブリエル・ユニオン(『バッドボーイズ2バッド』2003、『デイブは宇宙船』2008、『スリープレス・ナイト』2017)をキャスティング。母親の精神を宿らせるため、実際の母親の私物だという聖書や宝石など、手がかりとなるものをもとに丁寧に演技のアプローチをおこなったのだそう。

さらに今作で注目すべきは、アニマル・コレクティヴの音楽。「21世紀最重要バンド」と名高い彼らは、2020年に脚光を浴びた映画『WAVES/ウェイブス』(A24制作)でも音楽を手掛けるなど、映像業界からのラブコールも熱い。

今回は、フレンチが新しい “宗教”(「自分なりの信念」の意)を探し求めるというコンセプトに基づき、ボンゴやイスラム教の祈り、キリスト教のコーラスなども取り入れていて、スピリチュアルな楽曲が多く用いられています。

楽曲の各要素は、スクリーン上の多様性にインスパイアされていて、フレンチ自身に変化をもたらす重要なものとして機能しています。

すでに世界各国で高い評価を受けている今作が、ついに日本で公開されます。

個人がどう生きていくかをテーマにした映画が多い昨今。きっと今作はその探求を進める手立てになってくれるでしょう。ぜひ劇場でご覧ください。

INFORMATION

映画『インスペクション ここで生きる』

監督・脚本:エレガンス・ブラットン
出演:ジェレミー・ポープ、ガブリエル・ユニオン、ラウル・カスティーヨ、マコール・ロンバルディ、 アーロン・ドミンゲス、ボキーム・ウッドバイン
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2022年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/5.1ch/95 分/R15+
原題:THE INSPECTION
日本語字幕:松浦美奈
©2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.
公式サイト
公式Twitter

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP > NEWS

関連記事#映画

もっと見る