バケットハットは文字通りバケツを逆さまにしたようなハットをいう。短いブリムとフラットなトップクラウンがその特徴だ。80年代のヒップホップ、90年代のブリットポップという二つの波に乗ってストリートを席巻した。
やや深めのクラウンからなだらかに続くブリム。そのバランスの美しさに思わず手に取ったのは〈ロエベ(LOEWE)〉だった。
メゾンを10も20も若返らせたクリエイティブ ディレクター、ジョナサン・アンダーソンが手がけるだけあって、〈ロエベ〉にはバケットハットが豊富にラインナップされていた。
今シーズンのキーマテリアルとなるシアリングのバケットハットも捨てがたかったが、最終的に選んだのはコーデュロイとパファーナイロン。
繊細な畝が織りなすコーデュロイもぬめるようなパファーナイロンもとにかく申し分がない。選びに選んだカラーバリエーションがそんな素材の魅力を後押しする。コーデュロイは写真のグレーの他、イエロー、ピンク、サンライズオレンジの4色展開。パファーナイロンは写真のブラックとカーキグリーンの2色展開。
トドメを刺すのがLOEWEアナグラムのデボス加工入りラバーパッチ。いずれもボディと同じ色でまとめている。名バイプレイヤーのような存在感がある。