〈プーマ(PUMA)〉は2023年10月、アーティストの空山基さんとの初のコラボコレクション「プーマ x ソラヤマ(PUMA x SORAYAMA)」を発表。そのリリースを記念し、10月29日(日)、東京・原宿の「プーマストア 原宿キャットストリート」にて、空山さん本人が来店するスペシャルイベントが開催されました。ここでは、イベント当日のレポートと空山さんへのインタビューをお届けします。
空山基の世界観が表現された魅惑のコラボ。
イベント当日、「プーマストア 原宿キャットストリート」の前には長蛇の列が。なかには、空山さんのアートブックやポスターを持参してきた熱心なファンも。期待度の高さが感じられます。
展開されたシューズは全3モデル。今回のコラボコレクションの代表作「CLYDE SORAYAMA」は、今年50周年を迎えた「クライド」をベースに採用。紫外線に反応してシルバーからゴールドに変化するアッパーのサイドパーツが特徴的です。
こちらはMADE IN JAPANの「プーマ クライド」をベースにした「CLYDE MIJ SORAYAMA」。アッパーには上質なスエードを使用。フォームストリップにモノグラムで型押しされたSORAYAMAのロゴも見逃せません。
「スリップストリーム」のミッドカットモデルをベースにした「SLIPSTREAM MID SORAYAMA」は、アッパーの随所にシルバーのメタリック加工を施すことで、空山さんの世界観を見事に表現。両サイドにあしらわれたSORAYAMAのロゴがアクセントになっています。
見どころはほかにも。シューズボックスも特別仕様になっていて、天面に描かれているのは「ロボット プーマ キャット」。今回のために空山さんが特別にデザインしたものです。
シューズに加え、アパレルもラインナップ。空山さんのアートワークが大胆にあしらわれた、スカジャンやフーディをはじめとする7型が展開されました。
イベント中、サインや写真撮影に応じる空山さん。来場者のなかには外国人の姿もちらほら。世界中で支持される空山さんの人気の高さがうかがえました。
空山氏に直撃! コラボに込めた思いとは。
大きな注目を集めた〈プーマ〉と空山さんのコラボレーション。その制作の経緯や開発の舞台裏について、空山さん本人にイベント会場で聞いてみました。
PROFILE
1947年生まれ。広告代理店勤務を経て、フリーランスのイラストレーターとして活躍。「セクシーロボット」シリーズ(1978年-)では女性の人体美をロボットに取り込んだ表現で世に知られる。1999年にはソニーのAIBOのコンセプトデザイン、2001年にはエアロスミスのアルバムカバーを手掛け、昨今はトップメゾンとの取り組みも実現するなど、さまざまなジャンルで精力的に活動を続ける。
ー まずはスニーカーについてお聞かせください。「クライド」と「スリップストリーム」の2モデルをベースに選ばれた理由は?
空山:〈プーマ〉の代表作ということで、料理しやすそうだと思って。そこはすんなりと決まりました。
ー スニーカーにメタリックな素材を用いるのは珍しいと思います。
空山:オーセンティックなものに、とんがった要素を入れたかった。実際にその通りになったと思います。〈プーマ〉としては、もっとロゴをデカくして、わかりやすいものにしたかったみたいだけど、私は長く愛せるものをつくりたいなと。使い捨てみたいなのは嫌ですから。コラボレーションはいつもせめぎあいですよ。私自身、この「クライド」はとても気に入っていています。
ー アパレルに関してはいかがですか?
空山:スニーカーはわりとスムーズに進んだけど、アパレルは苦労しました。なかなか納得のいく仕上がりにならず、モノによってはサンプルの出し戻しを5、6回繰り返して。
ー それだけこだわられたということですね。ちなみに、キーデザインになった「ロボット プーマ キャット」はどちらのアイデアですか?
空山:それはこっちのほうから。絵に関してはこちらのテリトリーだから、任せてもらいました。私が絵で表現しているのは、昔から一貫して変わらない。それは「光」と「反射」と「透明感」。今回はそれを素材だったり、デザインで表現しています。今回のコラボも、そうした視点で見てもらえたら。
ー ところで、〈プーマ〉は今年75周年、空山さんは現在76歳。ほぼ同い年ですね。
空山:へえ、知らなかった。じゃあ、私の方が歳上ですね(笑)。
ー 精力的に活動を続ける空山さんですが、日々習慣にしていることはありますか?
空山:特にありません。努力とか大嫌いだから(笑)。やっていることといえば、歩くことくらい。毎日平均6000〜7000歩、多いときは1万5000歩くらい歩きます。家とアトリエのあいだをウロウロとね。
ー 今日のイベントは、空山さんが来店されるということで、たくさんの人が来場されました。最後に、ファンの方々にメッセージをお願いします。
空山:私のファンの人はもちろん、ファンじゃない人にもぜひ買ってほしいですね。せっかくのコラボレーションということで、だいぶ好き勝手やらせてもらったので(笑)。
Photo_Sohei Kabe
Text_Issey Enomoto