CLOSE
NEWS

【FOCUS IT.】セイコー初のブレイキンの大会が開催! 世界のB-BOYたちによる白熱のダンスバトルの模様をレポート。

2024年の夏にパリで行われる世界的なスポーツの祭典。一昨年の大会ではスケートボードが実施競技に加わり、日本人選手の活躍によってたくさんのひとたちがテレビに釘付けになりました。これに続いて、パリではブレイキン(ブレイクダンス)が新種目として採用され、大きな注目を集めています。

そうした流れのなかで「セイコー(SEIKO)」が12月3日に「Seiko 5 Sports Showdown」と称したブレイクダンスの大会を開催。世界から招かれたトップ選手たちがワン・オン・ワンのバトルを繰り広げました。盛り上がりを見せた、その模様をダイジェストでお届けします。

Photo_Jason halayko
Text_Tsuji
Edit_Ryo Muramatsu


セイコーが主催した「Seiko 5 Sports Showdown」とは?

日本を代表する時計メーカーとして知られる「セイコー」。腕時計や壁掛けの時計はもちろんですが、陸上や水泳といった競技のオフィシャルタイムキーパーとして、この名前を見かけたことのあるひともいるはず。「セイコー」は昔からスポーツとの結びつきが深いブランドなのです。

そんな「セイコー」のブランド〈セイコー 5スポーツ〉がいま、ブレイキンに注目しています。

「Seiko 5 Sports Showdown」の会場になったのは、昨年オープンした大阪・堺のショッピングモール「ららぽーと」。大型のビジョンとデジタルサイネージを備える、建物中央のイベントスペースに舞台が設けられました。今大会は堺市の地域振興策のひとつでもあり、告知も積極的に行われました。

バトルの模様はYouTubeの「Seiko Watch Global」インスタグラムの〈セイコー 5スポーツ〉のオフィシャルアカウントでライブ配信され、その視聴者と会場に集まった観客がオンライン投票で「Best Breaker」と「Best Battle」を決める方法がとられました。(それぞれのアカウントでは当日の模様を捉えた動画を視聴できます)

これに選ばれたダンサーは〈セイコー 5スポーツ〉の大会オリジナルウオッチと賞金が授与されます。

世界トップクラスの10名のB-BOYが大阪に集結。

さて、気になるのが対戦カードです。こちらは主催者である〈セイコー〉がYouTubeでの再生回数が900万回を超える戦いなど、歴史的なバトルをもとに事前に決定。5つの組み合わせのなかでも最後のバトルはブレイクダンスのファンが最も見たい試合を特設サイトで募り、それを実現させるという本腰の入れようです。



日本のブレイキンのシーンを牽引するTAISUKEを筆頭に、韓国で絶大な人気を誇るPHYSICX、来夏に行われるスポーツの祭典のアメリカ代表に選ばれたVICTOR、インスタグラムのフォロワーが22万人を誇るLIL ZOOなどなど、名実ともに世界トップクラスの10名のB-BOYが集結しました。対戦カードは下記の通りです。

1st:LIL KEV(France) vs KID COLOMBIA(The Netherlands)
2nd:PHYSICX(South Korea) vs STRIPES(USA)
3rd:PHILIP(USA) vs SUNNI(UK)
4th:TAISUKE(Japan) vs LIL ZOO(Austria/Morocco)
5th:BRUCE ALMIGHTY(Portugal) vs VICTOR(USA)

バトル開始前のステージには選手たちが揃い、各々ウォーミングアップを行っていましたが、その動きがすでに本番さながらのパフォーマンス。「ららぽーと」でショッピングを楽しむ家族連れやカップル、若者たちが舞台のまわりに集まりはじめました。

白熱した5つのバトル。軽快な動きで競い合う技。

バトルがはじまる時刻になると、ステージを囲むように人垣ができ、舞台上を見渡せる吹き抜けの2階と3階にもたくさんのひとの姿が。



今回のワンマッチは決められた時間のなかで二人の選手がDJのビートに合わせて技を披露します。もちろん、どんなビートなのか事前に伝えられていないため、即興性が試されるところもポイント。

ビートが鳴ったらバトルはスタート。先攻も後攻もないため、選手同士が牽制し合いながらお互いの動きを探り、初手を打ちます。

どの選手も圧倒的なパフォーマンスで会場を沸かします。ステップと身のこなしが軽快すぎて、見ているこちらもつられて体が動いてしまうほど。「真似できるかな?」と一瞬頭をよぎりますが、そう簡単にいかないのは言わずもがな。とはいえ、そう思わせてしまうほどの軽快な動きに、ブレイキンの魅力があるのかもしれません。


当然ながら選手はみんな体を鍛え上げ、日々技を磨いているわけですが、見せ場となる回転系のパワームーブで相手選手を圧倒していきます。

中には相手を挑発したり、踊っている選手を鼓舞したり、オーディエンスを巻き込んで手拍子を求めたりと、パフォーマンスしている、していないに関わらず、ステージ上にいる選手の振る舞いも含めて、一挙手一投足が見逃せないのもこの競技の面白いところ。冗談めかした選手がいれば、真面目にパフォーマンスに打ち込む選手もいたりと、それぞれの個性がそこに現れます。

5つのバトルがすべて終わると、採点を促すアナウンスが流れます。冒頭に書いた通り、今回の大会は会場の観客と、ライブ配信の視聴者がオンライン投票を行ない、「Best Breaker」と「Best Battle」を選びます。

ブレイキンの認知度を上げる意味でもすごく有意義だった。

集計の結果、「Best Breaker」はアメリカのVICTOR選手に、「Best Battle」は日本のTAISUKE選手とオーストリアをベースに活躍するLIL ZOO選手のマッチに決定。

この3名には〈セイコー 5スポーツ〉の大会オリジナルウオッチと賞金が贈られました。


大会終了後、フイナムではこの3名にインタビューを敢行。今回のイベントやブレイキンに対する思いを語ってもらいました。

左からTAISUKE、VICTOR、LIL ZOO。

ー今回はおめでとうございます! それぞれ勝者に選ばれたいまの気持ちを教えてください。

VICTOR:実は指を怪我していて全力を出せなかったんですけど、自分のベストを尽くすことに集中しました。結果的に「Best Breaker」に選ばれたのがすごく嬉しいと同時に、驚きでもあります。

LIL ZOO:とても嬉しいですね。TAISUKEは昔からリスペクトしているので、今回こうやってバトルできたことに感謝しています。もっともっと盛り上げられると感じたので、もし次回があればさらにかましたいですね。

TAISUKE:ずっとこの1年バタバタしてたので、今回オファーをいただいたときはみんなを喜ばすことができるか少しだけ不安だったんですが、とりあえず、やっと終わったというのがいまの気持ちです。だけど、自分のできることはやろうと思って挑みました。いざバトルに入ると、体が動きを覚えていてくれたのでよかったです。なにかを残そうという気持ちが結果に繋がったのかなと思います。LIL ZOOとはチームメイトで時間を共にすることも多かったので、バトルできてすごく楽しかったです。

ー贈られた〈セイコー 5スポーツ〉の大会オリジナルウオッチをつけてみてどうですか?

VICTOR:すごいフレッシュでクールですよね。こういうウオッチをあまりつけたことがなかったから嬉しいです。

LIL ZOO:カラーリングがいいよね、最高!

ー今回はどんなことを意識してバトルに挑みましたか?

VICTOR:怪我をして練習できなかったんですけど、カッコつけずに自分らしさを出そうと意識したことが功を奏したのかなと思います。

LIL ZOO:10日前から日本に入って、みんなよりもいいコンディションで挑めたのがよかったです。会場にいるオーディエンスの熱気もすごかったし、そうしたサポートを裏切らないように集中してバトルに挑めたことがいい結果に繋がりました。

TAISUKE:もう20年以上ブレイキンをやってきているので、満足に準備できなかった中でも経験が後押ししてくれていたように感じます。自己評価としては課題が残りますが、まだまだブレイキンを続けていくつもりなので、コツコツとできることをこれからもやっていこうと思います。

ーショッピングモールで試合する機会もなかなかないと思います。いつもと違うムードの中で競技をされて、どんなことを感じましたか?

VICTOR:ファミリー層が多く、エンターテイメントの要素が強くなったことで、いつもの大会よりもバトルをエンジョイすることができました。

LIL ZOO:1階から3階まで集まったたくさんのひとが、自分たちの個性に注目してくれていたように思います。VICTORと同じように、それによってバトルを楽しめたことがなによりよかったです。

TAISUKE:やっぱりお客さんを巻き込めるのは、ブレイキンの認知度を上げる意味でもすごく有意義だったと思います。俺たちはずっとカルチャーの中にいて、今回の大会ではB-BOYとはなんたるかということを高い意識を持って考えながらやっている選手しか集まっていないので、それに興味を持って見てもらえたというのはよかったと思います。しかも、ただ見るだけじゃなくて、投票しなきゃいけないシステムだったからこそ、喰い入るように見てくれたのかなと。それはブレイキンのシーンにとってはすごくいいことですよね。

ー今回は1マッチ2ラウンドの限定的なバトルでしたが、いかがでしたか?

VICTOR:個人的にはもっと踊りたかったけど、楽しめました。

LIL ZOO:俺も3ラウンドくらいやりたかったですね(笑)。まぁだけど、組まれたバトルを見ているのも楽しかった。STRIPESとPHYSICXのバトルのように、似たスタイル同士の戦いや、バックグラウンドがある同士の試合を見れたのもよかったですね。そうしたバトルはなかなか見れないから、今回は本当にスペシャルだと思う。

TAISUKE:ワンマッチのほうが踊っている側はラクですよね(笑)。今回みたいに少ないラウンド数で競い合ったほうが、体力勝負にならなくて済むし、選手の個性を出しやすいと思う。そういう意味では瞬発力を楽しみやすいし、見ているひとたちにとっても興味を惹きやすいですよね。そこから気になった選手を調べたりとか、そういう動作に繋がったらいいなと思います。だから今回の大会はすごくよかったですよ。

ー最後に、これからの目標を教えてください。

VICTOR:まずは来年のパリに向けて準備したいなと思います。

LIL ZOO:目の前にある課題をひとつずつしっかりとクリアしていくだけですね。

TAISUKE:とりあえず休みたいです(笑)。あとは来年4月にアメリカの大会に出るので、そこに向けて仕上げていくのがとりあえずの目標です。

INFORMATION

セイコーウオッチ お客様相談室

電話:0120-061-012
セイコー 5スポーツ オフシャルサイト

※今大会の模様はYouTubeにアップされています。ぜひご覧ください。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP > NEWS

関連記事#Seiko 5 Sports

もっと見る