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ザ・ノース・フェイス、スノーピーク、羅臼町、斜里町が企画したアウトドアサミット。晩夏の知床で、自然を堪能した2日間。

ときに穏やかでときに荒々しい波が押し寄せるオホーツク海、名峰・羅臼岳を有する知床連山、自然の脅威と雄大さが同居する知床五湖。そして人間の生活圏内に、当たり前のように現れる野生動物。

「日本にもこんな場所があったのか」そんなことを実感させてくれるイベント「SHIRETOKO Adventure Festival 2024」が、去る9月14日(土)と15日(日)に開催されました。その名の通り、舞台は日本の最果て、北海道の北東端に位置する知床です。

このイベントは、斜里町と「ゴールドウイン(Goldwin)」が展開する〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉、羅臼町と〈スノーピーク(Snow Peak)〉が合同で企画したもの。両社ともそれぞれの自治体と包括連携協定を結んでおり、環境省と「国立公園オフィシャルパートナーシップ」を締結した企業でもあります。

そうした縁に、知床が国立公園に指定されて今年で60周年、世界自然遺産に登録されて来年で20周年を迎えるタイミングが重なったことから開催されました。ここからは、知床の晩夏を堪能した2日間をレポートします。


SHIRETOKO Adventure Festival 2024の全貌をおさらい。

斜里町「知床自然センター」と羅臼町「羅臼オートキャンプ場」の2ヵ所で同時開催された「SHIRETOKO Adventure Festival」。〈ザ・ノース・フェイス〉は、斜里町を舞台に“国立公園 × 環境 × アクティビティ”をテーマにしたトークショーやフィールド遊び、〈スノーピーク〉は、羅臼町を拠点に“国立公園 × アウトドア × 滞在”をテーマにしたキャンプイベントを行いました。両ブランドの得意とする分野がいい意味で異なるが故での内容といえるでしょう。

初日は知床の海岸を守るためのビーチクリーンからスタート。

2日目は4つのアクティビティがスタンバイ。アドベンチャーレーサー・田中陽希さんと羅臼岳を登ったチームの1枚。

写真家・石川直樹さん羅臼湖へ。生憎の土砂降りだったが、レイン製品の機能を体感できたと言う参加者も。

カムイワッカ湯の滝を沢登り。フイナム取材班も参加したので、詳しくは後ほど。

「知床自然センター」を拠点に知床の森づくりの現場を探検するという、学びを兼ねたライトなアクティビティも。

斜里町の初日はビーチクリーンからはじまり、その後は環境問題にフォーカスした映画祭、〈ザ・ノース・フェイス〉アスリートの田中陽希さんと〈ザ・ノース・フェイス〉からサポート受けている石川直樹さんによるトークがショーが行われました。2日目は羅臼岳のピークハントや羅臼湖のトレッキングなど、知床ならではのアクティビティを実施。2日目は終日雨だったものの、動き始めたら関係なし。外遊びにびしょ濡れ、泥んこは付き物です。

一方の羅臼町で開催されたのは、一泊二日のキャンプイベント。エゾシカのオイルを使ったキャンドルや土器カップづくりなど、知床の歴史を感じさせるワークショップが行われた他、フードは地元の食材をふんだんに使ったメニューを提供。夜が深まると焚き火を囲み、いつもより弾む会話を楽しむ家族の姿も。ゆらめく炎の暖かさと、パチパチと宙に舞う火の粉の音の心地よさ。煌めく炎をアテに各々の時間を楽しみながら、夜は更けていきました。


どこか海外を感じる、知床の空気感。

9月14日(土)の早朝の便で女満別空港に到着したフイナム取材班は、初日のアスリートトークに参加。カラッとした涼しい空気に触れながら、車で会場の「知床自然センター」まで向かいます。ちなみに、空港から会場までは約100kmほどあるのですが、その間にある信号はわずか3つだけ。麦の穂や畑と並行する道々からは、“田舎”という印象よりも、不思議と海外にいるような感覚を覚えます。

開会式を終え、写真家の石川直樹さん、アドベンチャーレーサーの田中陽希さんによるトークショーがスタート。

石川さんは兼ねてより知床の写真集や斜里町のブランドブック「知床サスティナブルブック」の編集を手がけており、四季折々の知床の自然をその目で見てきました。スクリーンに自身が撮影した流氷の写真を投影し、「グリーンランドやアラスカの北極圏も旅しましたが、真冬に海が凍る現象って、世界でもなかなか見られないんですね。海岸が一面凍るような景色を見られるのは、オホーツク海ならでは」と、知床の稀有な自然現象について語ります。

実はイベントの数日後、石川さんは8000メートル峰14座の最後の挑戦となるシシャパンマ入山を控えていました。「明日の終便で自宅に帰り、翌日にはチベットに飛び立ちます。だからちょっと、ソワソワしています」 20余年に及ぶ活動の集大成を前にそんな心の内を明かしましたが、10月4日(金)、見事登頂に成功。世界で51人目、日本人では2人目となる偉業を成し遂げました。

続く田中さんが話したのは、百名山、二百名山、三百名山を人力のみで踏破するプロジェクト「日本3百名山ひと筆書き」で知床を訪れた際のエピソード。「2度目の羅臼岳を登ったのが2021年。山頂から周囲を見渡してみると、こんなにも山々が続くんだと感動したのをいまでも覚えています。知床に来ていつも思うのは、自然界にリスペクトを持たないといけないということ。みなさんにも、多くの動植物が住んでいるエリアに自分がお邪魔させてもらっているという意識で、アウトドアを楽しんでもらえたらと思います」


知床半島の奥地、カムイワッカへ!

2日目は、知床を代表する滝のひとつ、「カムイワッカ湯の滝」まで電動マウンテンバイクで向かい、沢登りを楽しむ「カムイワッカ アドベンチャー」に参加。

序盤は未舗装かつ雨でぬかるんだ林道にスリルを感じていたものの、慣れてくるとそのスリルは快感へと変わります。力まずとも20km/hまでは一気に加速でき、凛とした風を浴びながらグングンと進んでいきます。

道中、何度か見かけた鹿の姿。最初は驚きとともに好奇の目で彼らを見ていましたが、手つかずの自然が残る知床では、人間と野生動物の行動範囲が重なるのは当たり前。餌付けや食料のポイ捨てなど、自然界のバランスを乱すようなことをしないのがマナーです。

スタートから1時間ほどで「カムイワッカ湯の滝」に到着。「知床硫黄山」から湧き出る温泉が流れ込んでいるため川全体が温かく、登るにつれて川の温度は上昇していきます。最終目的地では約35~38℃になるんだそう。この日は雨で水温が下がっていたものの、入渓地点は25℃ほど。雨に打たれながら電動マウンテンバイクを漕ぎ続けた身からすると、まるでぬるま湯に浸かっているかのような温かさ。この温もりがありがたく感じます。

日頃からアウトドアをする方からしても、沢登りを身近なアクティビティとして感じているひとは決して多くないはず。ファーストステップを踏み出しづらいアクティビティを、こうしたイベントを通じて、ガイドスタッフのサポートのもと楽しめるのは嬉しい限り。「なんか楽しいかも」「またやってみたい」 そんな漠然とした感情を持つことが、アウトドアを身近に感じる第一歩なのです。


日本には知らない景色がたくさんある。

イベントで出会った〈ザ・ノース・フェイス〉と〈スノーピーク〉の担当者が口を揃えて言っていたのは、ひとりでも多くのひとに知床に来てもらって、その魅力を体感してほしいということ。日本の国立公園にはまだまだ課題があるけれど、実際に利用すればもっと身近な存在に感じられて、日本の自然の美しさ、楽しさに改めて気づくはずだと。

現地に行くと感じられる、まるで森が生きているような感覚や海の香り。そして、アクティビティというフィジカルな体験が色濃く残す旅の思い出。みなさんの発言はまさにそうだなと思いながら空港まで向かっていたところ、車からこんな景色が。

オホーツク海に沈む夕陽。視界を遮るものがないから見える、知床ならではの景色です。行ってみないと得られない経験って、やっぱりたくさんありますね。

INFORMATION

ゴールドウイン カスタマーサービスセンター

電話:0120-307-560
オフィシャルサイト
SHIRETOKO Adventure Festival 2024 特設サイト

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