テーラリングの技が冴えた〈セリーヌ(CELINE)〉のFW24において、素通りできなかったのがこちらのフランネルシャツだ。
ブルーを基調とした、寒色系のチェック・パターン、そのパターンを引き立てるホワイトボタン、レイヤードがさまになるルーズフィット、そこにちょこんと乗せた小振りな襟、そしてとろけそうなほどにしなやかなコットン・ファブリック――。どこをとってもモダンのひと言である。
カリフォルニアのスケートスタイルをいとも鮮やかにブラッシュアップしてみせた、そんなシャツの仕上げがメゾンのシグネチャーであるトリオンフだ。12個目のボタンのように前身頃の左下部にさりげなく刺繍されている。
FW24はエディ・スリマンのthe last but one(最後から2番目の)コレクションとなる。改めてパリの名門老舗の魅力に気づかせてくれたスリマンに、一足早くスタンディング・オベーションを。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa