知っているようで知らないGORE-TEX製品のケア方法。「日本ゴア合同会社」の調べによると、GORE-TEX製品ユーザーのうち、53%が定期的に洗濯しているのに対し、23%のユーザーはGORE-TEX製品を一切洗っていないんだそう。どっちが正解なのか、そもそもどうケアしたらいいのか。そんな声に応えるべく、「日本ゴア合同会社」、〈アークテリクス(ARC’TERYX)〉、〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉、〈パタゴニア(Patagonia)〉、〈パナソニック(Panasonic)〉の担当者による合同トークショーが開催されました。
結論からいうと、GORE-TEX製品は洗ってOK。むしろ、使ったら洗ったほうがいいとのこと。GORE-TEX製品の生地には撥水加工が施されており、その生地の表面にある「撥水基」が撥水性をもたらします。もともと立ち上がった状態の撥水基は、着用のたびに汚れや埃、擦れなどの要因により、徐々に寝てしまうんだそう。そうなると、撥水機能は低下してしまいます。上の写真の右側の生地は撥水基が立ち上がった状態、左側は寝た状態のもの。比較してみると、撥水性は一目瞭然です。
加えて、〈アークテリクス〉のアフターセールス/リバード マネージャーの室田さんは、「リバードカウンター(修理専用カウンター)に持ち込まれるウェアを見ると、洗っていないウェアの方が製品寿命が短い傾向にあります。修理できない致命的な損傷があるのも、洗っていないウェアに多いです」と付け加えます。これはウェアに付着した皮脂や油分が、シームテープの剥がれや生地の剥離の原因になるから。
洗うとウェアがダメージを受ける。そう思っているひとも少なくないと思いますが、”洗う”より”洗わない”方がダメージは大きい。定期的な洗濯はウェアの長持ちに繋がり、製品の使用期間を長くすることは環境に与える影響を最小化することにも繋がるのです。
推奨する洗い方はブランドによってそれぞれ異なりますが、基本的には洗濯表示に従えば問題ありません。ゴアテックス プロダクトが持つ本来のパフォーマンスを発揮させるために、定期的なケアをオススメします。