クラシカルなファブリック、アイテムをスポーツのエッセンスと組み合わせる、というのは〈プラダ(PRADA)〉が牽引したスタイルだった。これを破綻なくまとめてしまう力量はミラノのファッションハウスたる〈プラダ〉の面目躍如といったところだろう。
数あるアイテムのなかでも、つい手が伸びる汎用性、完成度の高さを感じさせたのがベレー帽だ。みるからにしなやかなナッパレザーやコーデュロイをまとったシンメトリーでコンパクトなデザインはクラシックをベースにしつつ、モダンな香りも漂う。
ベレー帽は中世以前のバスク地方にまで遡れる由緒正しいハットで、ピカソやロダン、手塚治虫といった人々に愛され、どこか知的な印象を漂わせるアイテムとして広まっていった歴史をもつ。〈プラダ〉のそれはそんな過去へのリスペクトがきちんと伝わってくるところに好感を覚える。
クラシック回帰で古き良きもろもろが見直されているけれど、これを全身でやれば、よほどの着巧者でないかぎりとたんにコスプレ臭が発生する。〈プラダ〉がやってみせたスポーツミックスに限らず、クラシックはまぶす程度にとどめるのが賢明であり、まぶすならこんなハットがいい。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
プラダ ジャパンカスタマーリレーションズ
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