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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日のレース@マカオ

2009.12.09

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ここ二年というもの、12月の第一週といえばラスベガスマラソンに出場していました。走り始めて3週間でレースデビューしたのもそうだったし。前日に10km走って、買い物で12km歩き、ビールも飲み、睡眠2時間で走ったら記録はいいわけない。2時間18分でゴール。一度も歩かなかったのが唯一の収穫。今考えるとかなり無謀でした。去年は当時の自己記録を30秒ほど更新した1時間58分24秒。今年はオーガナイザーが変わり、参加賞のTシャツもSUGOIになったので、出場しようと思ったけど、「10月にオレゴン行ったことだし...」ということで、今年は同日開催のマカオマラソンにしました。マカオといえば全盛期のホセ・カンセコなみに3拍子揃ったカジノシティ。ラスベガス以上にいろんな誘惑も多く、精神力も試されます。スーパーに行くとコロナビールも80円弱だしね。

今回も原稿書きetc.で睡眠は充分とれず。その割りに体調はあまり悪く無かったです。
この大会は賞金レースのため、アフリカetc.から多くのエリートランナーが訪れてます。ウォーミングアップ中の彼らの走りで気になったのは、かかとをほとんど着いていない点。自分もあいかわらずかかとが痛く、最近はかかとをあまり着けないように走ってるので、参考になる点が多かったです。レベルは全然違うけど。

レースは5km、ハーフ、フルが同時スタート。横入りする人が多くて、一瞬「ムッと」するけどガマンガマン。スタートからしばらくして会場のマカオスタジアムを出ようとしたときに集団が急停止。なんのことはない、ランナーたちが観客席の家族に手を振ってる。「とっとと走れよ!」と思うけどまたもガマンガマン。そして事件は起きました。4kmを過ぎたあたりで前方から数十人の中国人ランナーが凄い形相で逆走してきます。「何事?暴動?」とビックリしていると、身振り手振りでハーフとフルの人間はコースが違うみたいなことを言ってます。仕方ないので、自分も彼らと逆走して正しいコースに戻ろうとします。ところが200mほど戻ると係員がこっちで合ってるといいだし、また元のコースに戻ります。係員によって違う指示なのは困ったもんです。それにしても暴動とかはデマがキッカケだったりすることが多いらしいけど、その一端を垣間見た気がしますね。

2000年のシドニー五輪が決まった1993年のIOC総会でもサマランチ会長が立候補した都市をアルファベット順に読み上げただけなのに、「Beijing」の瞬間、北京ではみんな勘違いしてカネや太鼓で大騒ぎ。花火もドカンドカン上げちゃってたし。実はシドニーに決まったって知ったときは放心状態でしたね。急にそんなことを思い出しました。

1時間45分の自己記録の更新を狙って出場した大会だったけど、そんなこんなで万事休す。でも意外と体調悪くないので、kmあたり4分台後半で走り続けます。フラットで走りやすいコースだったし。と思っていると最大の難関の西湾大橋が登場。この全長2.2kmの橋が同大会の名物であり、関門です。上り坂はタフで、さっきまで自分と競り合ってたオーストラリアのお兄ちゃんとかは歩いちゃってました。帰りもこの橋を通るかと思うとちょっとブルー。眺めはいいのになぁ。

半島側に渡り市街地を走る後半もペースは落ちず、逆に帰りの西湾大橋の下り坂を利用してペースを上げます。最後のスタジアムのトラックでは、14km地点から抜きつ、抜かれつを繰り返した「珠海長走」というユニフォームを着た中国人青年を再逆転してゴール。自分の時計では1時間50分23秒。もう少しで1時間40分台だったから悔しいけど、いい走りが出来たと思いましたね。正式発表の記録はネットがなく、グロスで1時間51分00秒。規定時間内に完走した1179人中280位なのでよしとしましょう。やっぱり自分にはハーフマラソンが一番楽しいですね。フルマラソンは本当にタフだし、ハーフや10kmと比較して記録が極端に悪いしで、「あまり向いてないのかも?」と思ってたら、なんと東京マラソンの追加当選の連絡がきちゃいました。こうなったら落選した人の分まで一生懸命に走らなきゃいけないですね。

この大会で笑ったのは、3競技を同時開催していることから起こるミラクルというか喜劇。
ハーフマラソンのよろよろになって歩いてゴールするランナーとフルマラソンのエリートランナーのゴールが重なるんですね。まさにカオス(混沌)。歩いてる人の横を時速20km以上でラストスパートするランナーがゴールするなんてのは、なかなか見られるもんじゃないですよ。いいものみせてもらいました。

大会自体は賞金レースということもあり、活気があって楽しかったです。男子女子ともフルマラソンの1位はUS$15000。10位でも1000ドルもらえます。西湾大橋以外は走りやすいコースだから来年の出場考えてもいいかな。来年もラスベガスと日程が重なりそうだからちょっと迷うけど。


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難関だった西湾大橋。ここで心折れたランナーが多かったです。特にマッチョで体重のある欧米のランナーには鬼門でした。


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女子フルマラソンで3位に入賞したポーランドのAGNIESZKA JANASIAK。賞金3500ドル獲得。

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ゴール間際ではこんな感じでフラフラのハーフマラソンランナーと、フルマラソンのエリートランナーが交錯するシーンが何度も見られました。

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アフリカ勢はほとんどがアディダスシューズを着用。アディゼロアディオス(アディゼロジャパンの海外名)が人気のようでした。

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