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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日のレース@東京都

2010.03.01

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今から30年以上前、小学4,5年の春の遠足のときのこと。目的地について、さあ帰ろうというときに雨が降り出しました。天気予報では雨が降るなんてことは全く言ってなかったので、雨具を用意している人はほとんどいません。しばらく雨宿りしたものの、止む気配がないということで、雨の中を帰路につくことに。土砂降りの中を約12km。翌日は風邪で休む生徒多数。おまけに隣のクラスの若い男の担任の先生まで休む始末。
あのときの辛さと寒さは今も忘れません。わら半紙に印刷された遠足の案内が、かばんの中でぐちゃぐちゃになってたなぁ。

今回の東京マラソンは、そのときのことを思い出すこととなりました。金曜日までバルセロナに出張に行っていたので、疲労が心配されたけど、逆に時差ボケのおかげで前日は5時間ほどですが、グッスリ眠れました。起きるとパラパラと雨が庇をたたく音が。しかも結構デカイ音。外に出てみると雨粒がでかい。止むことを祈りながら新宿へと向かいます。

駅に着き西口改札を出ると、早くも着替えを始める人々が多数。「それはないでしょ」と思ったので、とにかく都庁方面へ歩きます。結局センタービルで着替え、荷物預けのトラックに向かうと凄い人。雨でびしょ濡れになっていることもあって、殺気立ってる輩もチラホラ。それから整列して、スタートまでがとにかく長い。ウォーミングアップもできないし、どんどん身体が冷えていきます。パタゴニアの超軽量アウターのフーディニフルジップはある程度水を弾いてくれるけど、やはり寒い。手袋やシューズはどんどん水を吸い始めるし。周りには雨対策を全くしてない綿の半袖Tシャツの人もいて、気持ち悪いくらいに青白い顔をしてたし。午前9時10分、号砲一発エリートランナーがスタート。それから5分程度で自分たちFブロックがスタートできたような。肝心のGARMIN405が高層ビル街ということで衛星を捉えず、戸惑ってる間にスタートラインを超えちゃったので。考えてみたら東京マラソンは1kmごとの表示があるんだからGPS機能は必要ないのにね。

靖国通りを東へ向かうとすぐに歌舞伎町。まさかこんな有名な道路のど真ん中を走れるとは。これが東京マラソンの醍醐味です。走ってるとその街で昔あったことを思い出しますね。市ヶ谷を過ぎたときは法政大学落ちたこととか。そんなこんなで走ってると膀胱に強い痛みが。あまりの寒さに尿意をもよおしたよう。いわれてみればさっきから仮設トイレや地下鉄の駅に駆け込むランナーが多数いたわけです。でもどのトイレも長蛇の列。結局我慢できずに皇居手前の公衆トイレで順番を待つことに。ここで5分のロス。不幸中の幸いだったのは、大じゃなかったこと。もしそうだったら15分くらいのロスになったらしい。ゴールしたあと別のランナーに聞きました。すっきりすると若干ペースが上がるけど、雨は弱まる気配はなし。あまりの寒さに筋肉は硬直しちゃってて、中々温まりません。日比谷に到着すると10kmでエントリーした人はここでフィニッシュ。さすがに短いけど、こんな雨の強い日はちょっぴり羨ましかったりして。

増上寺を右に見ながら南下すると、しばらくして折り返し。去年松村邦弘が倒れたのはこの手前だったんだと思いながら走ります。そして中間点を過ぎて左折するとこのマラソンのメインイベントといっても過言ではない銀座通りを走ります。ここは声援が特に多く、テンションも最高潮になるところ。東京マラソンのランナーであることを実感する至福の時です。日本橋を過ぎ、浅草橋や蔵前を抜けるといよいよ浅草に近づいてきます。ここで一つの楽しみが。とあるTV番組で浅草エリアで「とろりんとう」というかりんとうの一種が配られ、ランナーに好評とのこと。もう浅草橋のJR総武線ガードを越えたあたりから、頭の中はこの「とろりんとう」のことでいっぱい。勝手に雷門の手前あたりで配ると思ってたので、雷門に到着し、「今日は終わったのかな?」とがっかりしていると、南下する道の右側に発見。二個もらい、早速食べると美味い!それと疲れているときの糖分は効果てきめんで、足取りが軽くなりました。それからは人形焼き、チョコレート、ドーナッツ、プチトマトetc.沿道の私設給食を食べるのを楽しみに走ってました。さすがに味噌汁やおにぎりは食べなかったけど。雨も止み始めた晴海通りでジャケットを脱ぎ、築地交差点を左折するところでナイキジャパンのS.M.さんを発見!応援ありがとうございます。

そして東京マラソンの最難関箇所といわれる佃大橋の登場です。自らもバリバリのランナーFRAU編集部のK.S.さんが「4時間前後でゴールする人でも歩いちゃったりするんですよ」って言ってたから、ちょっぴりビビってたけどポートランドマラソンのセントジョンズブリッジやマカオマラソンの西湾大橋あたりと比べたらどうってことなく、上りも下りも快適でした。あとはゴールまで数キロ。繁華街と比較すると景色の変化が少なく、ペースも落ちがちになりました。残り1kmの表示が見えると見慣れたビッグサイト周辺の景色が。最後の500mくらいはラストスパート。観客席には多くの人がつめかけてます。

そしてゴール!タイムはグロスで4時間47分19秒。ネットでも4時間40分は切れてないと思います。自己記録は更新したはずだけど目標の4時間20分はまたも達成できず。上村愛子じゃないけど、ほんと自分にとってフルマラソンのタイムは一段一段しか更新してないなぁ。でも最悪のコンディションでも心が折れなかったのは、有森裕子じゃないけど自分で自分を褒めてあげたいと思います。

今回も立ち止まることなく、歩くこともなく本当の意味で完走しました。よほどのことがなければ、もう5時間を超えることはない気がします。反対に4時間20分切るのとか結構大変かも。最近ハーフマラソンは1時間40分切れそうな気がしてきたけど、フルマラソンは本当にキツイ。自分には向いてないのか?と弱気になったりします。まあランニングを始めたときの「楽しく走る」を思い出せば、タイムとか関係ないんですけどね。

今回はこの方の同僚、山崎さんも出場し、見事ゴールしました。タイムには納得してないみたいですけど。制限時間内にゴールしたことは間違いなく価値があります。なんといってもフルマラソンを完走するという貴重な経験をした人間は世界人口の1%もいないのですから。


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更衣室から帰る人全員に「お疲れ様でした!」と声をかけていたボランティアの女性。
こうしたスタッフのおかげで東京マラソンが運営されてることを再認識しました。感謝、感謝。もし運営スタッフのうち有償スタッフの比率が高まったら、さらに都の財政を圧迫するでしょう。来年落選したらボランティアに応募するのもいいかなと思いました。

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EXPOのナイキブースで作ったMY MAGIC NUMBER。結局目標達成はならず。

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asicsブースではランニングのイメージキャラクターを務める大櫛エリカさんと記念撮影。彼女の今大会の目標はなんと3時間30分!ピンクのターサーが似合ってました。タイムのほうは3時間38分で目標達成はならなかったみたいだけど、自己記録は更新。おめでとうございます。
それにしても嬉しそうな顔してるな俺。実はテレビ東京の「ASAYAN」に出てた頃からファンだったんですよ。

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