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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日のレース@ラスベガス

2012.12.08

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「ラスベガスは暑い!」というイメージがあるかもしれません。実際に6月に訪れた際には連日最高気温は40℃を超えていましたし、4月ならプールで日光浴も楽しめます。しかしながらラスベガスマラソンの行われる12月の平均最高気温は14℃ほど。最低気温は氷点下になることもあります。同大会にはマカオマラソンに浮気した2009年以外、2007年より毎回エントリーしており、去年のブログにも書いているように、スタート時の気温は5,6℃が当たり前で、号砲を待つ間は防寒対策を施しても寒さに震えるというのが常でした。ところが今年は異常気象で連日最高気温が華氏で71度を超え。これは摂氏で22度ほどの暖かさ。ちなみに観測史上12月の最高気温は華氏で79度(約26℃)で、1940年に記録したといいます。


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スタート1時間ほど前に「いいね!」ポーズ。半袖でも全く寒くない気候はマラソンには明らかに不向き。顔とか思いっきり日焼けしましたよ。あと夏のラスベガスは汗をかいた瞬間に乾燥してしまうので、液体の汗を目視することはないのですが、今回初めて液体の汗を見ました。この砂漠の街で。


去年に引き続きナイトマラソンとなったため、フルマラソンのスタートは15時。この時点での気温は約22℃。CBSによると17時までは22℃をキープするという予想で、これは観光客にとっては最高の気候でも、ランナーにとっては最悪の気候条件です。「この条件では記録は無理だな!?」と思いつつ、いざスタートすると、そこは負けず嫌いの性格が出て、サブ4よりも速いkmあたり5分30秒ほどでラップを刻みます。15kmまではこのラップをキープしましたが、やはりこの暑さでは自分の走力ではサブ4は無理らしく、ペースが徐々に低下。中間点は2時間1分ほど、30kmは2時間58分台で通過し、目標をサブ4から「楽しみながら完走」に変更しました。といってもこのレース、今年から制限時間が4時間30分と厳しいものとなっており、決して楽ではありません。しかもコースに上り坂が多く、タフなコースは脚に負担を掛けてきます。特にラスベガス北空港に向かう3kmほどの上りはキツイのなんの。街灯もほとんどなく、真っ暗な道はメンタル的にも厳しかったです。もちろん応援もいなかったし。「上っているということは折り返せば下りだ!!!」そうポジティブに考え、ここを乗り切るとしばらくは下り。ここでエネルギーの回復を待ちますが、人気のない暗い夜道ではやっぱりモチベーションが上がりません。「諦めようかな?」と何度もそんな気持ちが頭を過ぎりましたが、19マイル地点近辺で「GREEN DAY」の「BASKET CASE」が演奏されると、急に足どりが軽くなります。これぞ音楽の力ですね。行きに辛かったメインストリートを潜る隧道のアップダウンをクリアすると、アーケードの電飾アトラクションで有名なダウンタウン随一の観光名所フリーモントストリートへ、ここでは数多くの人々が応援してくれ、数えられない人とハイタッチしながら走りました。35km過ぎの最も辛い場所だけに、こうした暖かい応援は本当にありがたかったです。


ラスベガスブルバード沿いの通称ストリップと呼ばれる地区に圧倒され、寂れる一方だったダウンタウン地区起死回生の手段としてスタートした「フリーモントストリートエクスペリエンス」。アーケードの電飾アトラクションで、季節によって異なりますが、6時、7時位からの毎定時にスタート。一度は訪れる価値があると思います。

再び辺鄙な場所を走り続け、ダウンタウンを抜け、通称ストリップと呼ばれるラスベガスブルバードに入ると、高層タワーで有名なストラスフィアタワーが見えてきます。さらに南下してサーカスサーカスまで来ると、残り2km。このあたりから再び沿道の応援が増えてきて、ハイタッチの嵐。下は2歳くらいの女の子からオバちゃんまで、今回のレースでは本当に沢山の人とハイタッチしました。それで思ったことはハイタッチは意外と簡単ではないということ。瞬時に相手がどんなタイプを望んでいるかを判断しないといけません。白人の若い男の子たちは「パチン!」と音の出るのを求めてる場合が多いから、こっちも腕にある程度力を入れて。一方で女性や年配の人には力を入れずに触れるくらいで。たまに例外もあって、100kgを超える黒人女性とハイタッチしたときは、こっちが油断して力を入れてなかったために、右腕が引っ張られて脱臼するかと思ったり(笑)。あと本当にカワイイ2歳くらいの白人の女の子がハイタッチを求めてきたから、かがんだ瞬間に背中の筋肉がつったりするなど、ハイタッチの奥深さを感じましたね。

左手にWYNNを、右手にファッションショーモールを見るところまで来ると、残りはあとわずか。ペースアップしつつTI、VENETIANなどの夜景を楽しみながらMIRAGE前のゴールへ。最後は両腕を突き上げてフィニッシュ。タイムは手元のGARMIN610で4時間24分28秒。グロスでも4時間30分を切って無事完走メダルをゲットすることができました。

去年のフルマラソンのコースは前半に辺鄙な砂漠や住宅地帯を走って、残り21kmはほぼ往復ラスベガスブルバードを走れましたが、今年はゴールがMIRAGEとなったこともあって、ストリップを走れる時間が少なすぎ。特に暗くなってからがほんの少しだし。今回は急遽湘南国際マラソンを走れなくなったためにフルマラソンにエントリーしましたが、来年も同じコースだとしたら、多分フルでのエントリーではなく、ハーフにエントリーすると思います。ちなみにこのラスベガスマラソンですが、翌週のホノルルマラソンと比較すると日本からの航空券、ホテルや食費などの滞在費も圧倒的に安いので、本当にオススメの大会です。


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この気候条件では4時間24分28秒というタイムは満足です。前々回から全世界で展開されるロックンロールマラソンの一部となって以来、華やかさが増しましたね。あとメダルが本当にカッコイイ。


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今回着用したのはアシックスのGT-2000 NEWYORK。足慣らしの期間が短かったので、チョッピリ不安でしたが、レース中は自分の足をしっかりと保護してくれました。そしてこのシューズで凄いと思ったのは、レース翌日に足がほとんど痛くなかったこと。フルマラソンは8回目ですが、こんな経験は初めて。バスに飛び乗ったり、点滅信号を渡るためにダッシュしたりといったことも問題なし。翌日の月曜日は2箇所のファクトリーアウトレットやダウンタウンのフリーモントストリートエクスペリエンスを見に行ったりと、15kmほど歩いたみたいですが、足の痛みを感じずに一日中行動できました。


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東京マラソンと同じように、今回からスタート地点とゴール地点の場所が異なるため、荷物のチェックインはトラックにて。焦げ茶色のUPSのトラックが、いかにもアメリカな感じで◎

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