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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日の1足

2013.02.13

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DMX1.jpg

今シーズンはナイキのエアマックスがフルモデルチェンジしたり、プーマ、アディダスから全く新しいテクノロジーが登場するなど、スポーツシューズのテクノロジーに注目が集まりそうですね。いまから16年前の1997年もハイテクシューズの当たり年でした。特に注目を集めたのがフルレングスのナイキエアのビジブル化に初成功したエアマックス'97(登場当時はエアマックス'98の呼称が一般的だった)と、当初の開発コードはDMX2000という名称で、正式名称はDMX10として発表された新型DMXテクノロジーを初めてランニングカテゴリーに搭載したリーボックのDMXランの2モデル。前者はインパクト不足が指摘された前作のイメージを払拭するインパクトのあるアッパーデザインも採用しており、ファーストカラーは良好なセールスを記録。一方のDMXランは日本におけるマーケティング予算がエアマックスの10分の1以下ながら、グリーンを基調としたデビューカラーのセールスは好調に推移しました。
いまでこそナイキの唯一無二のライバルはアディダスですが、この当時はナイキのライバルはいろいろな意味でリーボックだったと思います。

そんなときにDMXランのセールスに更なる追い風が吹くこととなります。それは雑誌POPEYEのファッションページにDMXランのファーストカラーを着用して自らのコレクションのキャットウォークを歩くアレクサンダー・マックイーンの写真が掲載されたのです。このことによってファッション関係者のあいだでも「DMXラン=カッコイイんじゃない?」という図式ができました。「運も実力のうち」といいますが、リーボックの場合はこういう出会い頭のラッキーが多い。雑誌「CUT」の表紙でビョークがポンプフューリーを履いていたのもそのひとつ。もちろん、それらのラッキーをしっかりと売り上げへと貪欲に繋げた営業部隊の力量は忘れることはできませんが。当時は「ナイキジャパンと比較してマーケティング予算が少ないから、神様も味方してくれてるんだ!?」と勝手に思ってました(笑)

そんなエアマックス'97とDMXランも、セカンドカラー以降はファーストカラーほどの販売力はなく、徐々にハイテクスニーカーブームは終焉を迎え、その復活はエアクキニ、エアプレスト、エアズームヘイブンなどがリリースされる2000年を待たなければなりませんでした。

DMXランは自分がちょうどリーボックジャパンを離れるタイミングで展開されていたモデルだけに、色々と思い出深い1足。ストリートシーンでもよく履いたモデルで、着地から蹴りだしの間にチャンバー内部の空気が移動することで足が自然と前に出るような高いクッション性を発揮してくれ、本当に履き心地がよかったですね。今回の復刻モデルは良く出来ていると思います。デザインはカッコイイし、履き心地もイイ。でもインソールの素材が違うのと、根本的な構造で復刻出来ない箇所が一箇所あるから、全く同じ履き心地を再現することはできないんですよね。あえてここではいいませんが...。


DMX2.jpg

今回セレクトしたのはブラックカラー。ベーシックながら存在感のあるデザインが気に入っていて、意外といろいろなタイプのボトムスにマッチしそうです。ちなみにオリジナル展開時はファーストカラーのグリーンだけでなく、ホワイト/ネイビー、ブラック/パープル、オレンジの4カラーを持っていました。今回の復刻モデルはミタスニーカーズ、オッシュマンズ、アトモスなどで取り扱っています。


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